スパイスボックスは、同社監修のもと、北海道上士幌町の自動運転バスにAI車掌「萩音士 清平」が導入されるプロジェクトが、4月1日から開始されると発表した。
AI車掌「萩音士 清平」は、AI音声認識「AmiVoice」を活用したAI音声対話アバター「AI Avatar AOI」のシステムにより実現。自動運転バスにAI車掌が導入されたのは、全国の自治体で初とのことだ。
AI車掌「萩音士 清平」のUI・アニメーションなど、キャラクター開発全般はTRIBALCON.が監修。2Dイラストに立体的なアニメーションを加える表現技術Live2Dを採用し、より滑らかな動きを実現しているという。
また、音声合成は、声優の収録音声を元にアドバンスト・メディアが開発。さらに、キャラクターの表情や仕草をAI自身に選択させることで、乗客から質問を受けた際に考える表情を示したり、笑顔で回答したりなど、視覚的にも自然な対話を可能にしている。
■主な機能
1. バス停留所の周辺情報案内
GPS機能と連携し、バス停留所やその周辺情報の自動音声案内を行う。音声案内のタイミングは、GPSによる位置指定または時間で設定可能。
2. AI音声対話
バス利用者との自由な会話を楽しむことができる。キャラクターや上士幌町に関連する情報をインプットし、不適切な会話や意図しない回答を回避。
3. AIスペシャル機能
ワンフレーズ歌の歌唱、早口言葉、じゃんけんなど、特別なコミュニケーション機能を提供。
■自動運転バスについて
定員:11名(乗務員除く)
運行速度:最大20km/h未満
運行日:【道の駅循環線】月曜、木曜、土曜【西団地・北団地循環線】月曜、木曜
全ての曜日・運行ルートで、2024年4月1日よりAI車掌を搭載。
上士幌町では、少子高齢化によって生じる公共交通機関の課題にICTを活用して対応するため、2017年に北海道初となる自動運転バスの公道走行実証を皮切りに、段階的に実証実験を実施。
2022年12月より自動運転レベル2による定期運行を開始し、2024年度に一部区間での自動運転レベル4の実現を目指しており、今回のAI車掌導入は、自動運転レベル4の実現に向けた取り組みの一環。
将来的に無人走行が可能となった際に、これまで行われていた車内での会話の機会が減少してしまう課題に対して、地域のコミュニケーションを活性化させ、高齢者でも受け入れやすく親しみやすい対話型AIの導入を検討していた。