SBテクノロジーは、4月1日より等級・評価・報酬・教育制度を改定した新しい人事制度を導入すると発表した。

新しい人事制度では、組織統合を行い1組織が持つ機能を増やしながらも、社員一人ひとりが高い専門性と最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、主に管理職層の裁量と役割を見直すという。

ラインマネジメント職は組織運営へ集中し、プロジェクト推進におけるマネジメントの役割を拡大したプロフェッショナル職を増強することで、管理職層による人材マネジメントの適正化を図り、組織全体としてより高い付加価値を創出するとのことだ。

また、円滑な組織運営やプロジェクト遂行を行うため、管理職層を補佐するチーフ職を新設。

各職位についての役割や報酬テーブルについては、再設計し基本給はベースアップと定期昇給と合わせて平均5%アップするという。

このほか、人材マネジメントや人材育成に関するスキルを高める教育制度を、一般職層の段階から早期に取り入れることで上位役職になる社員全員がマネジメントに関する知識を持つ組織体制の構築を目指すとしている。

■新人事制度の主なポイント

●等級制度
同社は、年齢や年次に関係なく社員が担う役割に応じてグレードを決める「ミッショングレード制度」を採用してきたという。

新制度では「ミッショングレード制度」を引き続き採用しつつも、グレード区分および求める役割を見直し、社員がこれまで以上に高度な専門性を発揮し、高付加価値な業務が行えるよう再設計したとのことだ。

組織の統合も行い、1組織が持つ機能を増やしながら、適切な組織運営を行えるよう管理職層の役割を明確化したという。

ミッショングレードの主な変更点

<具体的な変更点>
ラインマネジメント職はマネジメント対象人数を最大8人から15人前後まで拡大。より組織運営に集中できるよう、一部担っていたプロジェクト推進における人材のマネジメントはプロフェッショナル職へ移管。

プロフェッショナル職は、プロジェクトを推進していくためのマネジメントの役割と権限を拡大。組織横断でのプロジェクトメンバーのアサインや工数管理、メンバーの専門性を高める人材育成の役割を担うとしている。

さらに一般職層の中で、ラインマネジメント職もしくはプロフェッショナル職を補佐する職責の大きい現場のリーダーとしてチーフ職を新設。また、柔軟なキャリアパスを実現するため、マネジメント職と高度プロフェッショナル職を行き来可能なシニアプロフェッショナル職を新設したという。

●報酬制度
等級制度の刷新も踏まえ新しい役割に適した報酬テーブルも再設計。社員が発揮する高い専門性に合わせた報酬を用意するという。

<具体的な変更点>
基本給はベースアップと定期昇給を合わせて平均5%のアップ。新卒初任給については学士・高度専門士・専門・高専卒は26万円、修士卒は28万円に引き上げるという。

●評価制度
ラインマネジメント職においては、組織運営に注力するために評価項目として人材の活用をより重視し、プロフェッショナル職やチーフ職においては、自身の活躍のみならず、チームメンバーの育成や専門性向上に寄与する観点での評価項目を取り入れるとのことだ。

●教育制度
ラインマネジメント職においては、組織運営に注力するために評価項目として人材の活用をより重視し、プロフェッショナル職やチーフ職においては、自身の活躍のみならず、チームメンバーの育成や専門性向上に寄与する観点での評価項目を取り入れるという。

グレード別研修イメージ

■その他の変更点

●役職バトンタッチ(役職定年)制度の廃止
各自の能力と目指すキャリアを実現できるよう役職バトンタッチ(役職定年)制度を廃止。同社は、高い専門性を持つ人材であれば、60歳以降の定年退職の年齢であっても役割に応じた役職や報酬で働くことができる「高度プロフェッショナル制度」を導入しているという。

制度導入から4年を経て、中途採用や社内登用により約30名が高度プロフェッショナル職となり、年齢・年次に関わらず多様な働き方を実践できていることから、役職バトンタッチ制度の廃止を決定したとのことだ。