パナソニックエナジーは、集中戦略を展開する北米でのサプライチェーン強靭化および電池材料生産時の環境負荷低減を目的に、電気自動車(EV)用リチウムイオン電池の主要負極材料である人造黒鉛について、Novonix Limited(以下、ノボニックス)と長期供給契約を締結したと発表した。

この人造黒鉛は、2025 年よりノボニックスの米国テネシー州の工場から同社米国工場向けに供給される予定であるとのことだ。

同社は、2030年度までに車載用リチウムイオン電池のカーボンフットプリント(CFP)を2021年度比で50%削減する目標を掲げており、目標達成のためには、電池製造プロセスだけでなく、資源の採掘、原料の加工、物流など、サプライチェーン全体の環境負荷を減らすことが重要となる。

その一環として、北米の企業から環境に優しい技術で生産された10,000トンの黒鉛を4年間で調達する契約を締結。これは、サプライチェーン全体の環境負荷を減らす上で戦略的に重要な一歩であるとしている。

リチウムイオン電池に使われる黒鉛は、電池の耐久性を高めるために重要な役割を果たしているが、従来の人造黒鉛の生産方法は、エネルギーコストが高く、CO2排出量も多いという課題があった。

ノボニックス社が開発した新技術は、生産効率を大幅に向上させ、CO2排出量を削減することが期待されており、これにより同社のCFP半減目標達成に向けた取り組みが加速されるとのことだ。

さらに、北米市場では、高品質で高容量の電池を提供することで、電気自動車(EV)の航続距離を向上させ、EVの普及を促進している。同社は、電池開発と製造の分野での高い技術力と豊富な経験を活かし、リチウムイオン電池業界の成長を牽引し、ゼロエミッション社会の実現に向けた取り組みを加速していくとしている。