三菱商事・KDDI・ローソンの3社は、「リアル×デジタル×グリーン」を融合させた新たな生活者価値創出に向けた資本業務提携契約を締結した(以下、同提携)ことを発表した。
また、三菱商事とKDDIは、公開買付け等によるローソンの非公開化に関する取引(以下、同取引)に合意し、KDDIはローソンに対する公開買付けの実施を予定。
同取引の完了後、三菱商事とKDDIは、ローソンの議決権を50%ずつ保有し、両社は共同経営パートナーとして、ローソンの企業価値向上に向け3社で取り組んでいくこととなるという。
■目指す姿
コンビニエンスストアを中心としたローソンが展開する事業において、三菱商事とKDDIは「リアル×デジタル×グリーン」を融合させた新たな生活者価値を創出する「マチの”ほっと”ステーション」の実現を目指すとしている。
同提携を通じ、ローソンが有する約14,600店舗に訪れる1日あたり約1,000万人の利用者や、KDDIが有する約3,100万人の利用者とのデジタルの接点を掛け合わせた「国内有数の生活者接点」に対して、各社が有する機能・サービスをつなぐことで、ローソン店舗において生活者の方々のあらゆるシーンに寄り添う新たな価値を創出し、またグリーン(環境負荷低減)を含む社会が直面する様々な課題の解決に向けた持続可能なサービスも提供するとのことだ。
■同提携における検討事例
(1)リアル領域における取り組み
ローソンとKDDI合計約16,800拠点(ローソン店舗数約14,600、au Style・auショップ店舗数約2,200)のリアル店舗ネットワークを構築し、ローソンの店舗網拡大や機能強化を行い、利用者のさらなる利便性向上を目指すという。
<検討事例>
・au Style・auショップにおけるローソン商品/サービスの取り扱い(プライベートブランド商品・Loppi・ローソン銀行ATMなど)
・ローソン店舗におけるKDDI商品/サービスの取り扱い(通信関連商材や銀行/保険サービス・ヘルスケアサービス・エンタメサービス・モビリティサービスなど)
・ローソン店舗でのリモート接客導入による利用者の生活に寄り添うサービスの提供
(2)デジタル領域における取り組み
KDDIとローソンが持つ会員情報(利用者属性・購買情報など)連携による国内最大級の顧客データ基盤を活用することで、ローソンの利用者満足度とロイヤリティの向上を図るとしている。
<検討事例>
・ローソンでの買い物などを便利・お得に利用できるKDDIおよびローソンの利用者向けサービスを開発・提供し、ローソン店舗への送客を拡大
・KDDIのDX知見や技術の提供によるローソンの店舗オペレーションの最適化
(3)グリーン領域における取り組み
3社の事業基盤を最大限活用し、ローソンが掲げる環境ビジョンへ貢献し、グリーンでサステナブルな社会の実現を目指すという。
<検討事例>
・ローソンへの太陽光パネルの設置及び発電などによるCO2排出量削減
・ローソンで生じる廃食油を原料としたバイオディーゼルの製造など、サーキュラーエコノミー事業の推進
・ローソンにおけるプラスチック容器やペットボトル素材のバイオ系素材への置き換えによるプラスチック使用量削減
■同取引の概要
KDDIは、ローソンに対する公開買付けを予定しており、公開買付けが成立した場合、ローソンの株主を三菱商事およびKDDIのみとするための一連の手続(以下、スクイーズアウト手続)を予定。同取引の完了後、三菱商事とKDDIは、ローソンの議決権を50%ずつ保有する見込みだという。
なお、ローソンの株式は、スクイーズアウト手続を実施することとなった場合、所定の手続を経て上場廃止となる見込みとのことだ。
資本業務提携契約締結日:2月6日
公開買付けの開始(予定):4月頃
スクイーズアウト手続の完了・同提携の開始日(予定):9月頃