ESR、三菱ふそうトラック・バス(以下、三菱ふそう)、ダイムラー・トラック・ファイナンシャルサービス・アジア(以下、DTFSA)の3社は、eモビリティ向けのソリューションの検討・実施について、基本合意書を締結したことを発表した。

同合意書の締結により、ESRが開発・運営する物流施設と三菱ふそうの電気小型トラック「eCanter」他ゼロエミッション車両(ZEV)を活用し、カーボンニュートラルなグリーン物流の確立に向け、多角的なソリューションを共同で検討・実施していくという。

現状、公共のEV充電設備は、主にEV自動車の使用を念頭にカーディーラーやコンビニ、商業施設に多く設置されている。

低出力の普通充電器も多いため、EVトラックの「経路充電」(移動中の充電)やバッテリー残量がほとんど無い緊急時のセーフティーネットとしての活用が難しく、EVトラックの運用にはユーザーの拠点で充電を行う「基礎充電」が一般的だという。

そこで、同社らの最初の取り組みとして、2024年以降、千葉県から神奈川県にかけての首都圏湾岸エリアに所在するESRの物流施設に、「eCanter」向けの急速充電設備を順次設置するとのことだ。

まずESRの戦略的物流ネットワークを活用し、経路充電や緊急時の充電に活用できるようにすることで、柔軟な運行計画を策定。その後「eCanter」活用の可能性を見込み、三大都市圏を中心に戦略的に構築しているESRの他の物流施設に拡大し、ZEV向けのグリーン充電網を整備する計画となっている。

また、充電には主にESR物流施設の屋上に設置した太陽光発電設備で発電したグリーン電力を活用し、3社が目指すサステナブルな運用モデルを実現するという。

さらに「eCanter」の充電中には、ESRの物流施設内のラウンジやシャワーなどのアメニティ施設をEVトラックドライバーにも開放。

「充電待ち」の時間を休息に活用できるサービスを提供する計画で、2024年4月1日から施行される改善基準告示で定められるドライバーの休憩時間確保もサポートするとのことだ。

■同合意書締結による5つの取り組み

1.日本国内の首都圏を中心とするESRの物流施設にFUSOのZEV向けのグリーン充電網を整備

2.ZEV向けインフラの整備など、カーボンニュートラルな物流の促進に向けたESRの国内物流施設の活用について共同で検討

3.ESRの物流施設でESRの太陽光発電設備などを活用したFUSOのZEVへの再生可能エネルギー供給の実現に向けた戦略・商業モデルを共同で立案し、EVトラック運用の環境価値を向上

4.FUSOのZEVのバッテリーまたは2次利用バッテリーをESRの物流施設で活用するための戦略を検討し、EVバッテリー資源の効率的活用に貢献

5.上記の取り組み事例や知見を活かし、日本国内のみならず、ESRグループのAPAC(アジア太平洋地域)の拠点への展開も視野に入れ、APAC地域の脱炭素化へ貢献することを目指す