マイナビが運営する総合転職情報サイト「マイナビ転職」は、正社員の「平均初年度年収」と「求人件数」の推移を調査し、その結果を公表した。
■正社員の平均初年度年収
2023年の正社員の平均初年度年収は456.6万円で、未経験者求人が426.8万円、経験者求人が518.3万円となった。
2022年平均と比較すると、全体では2.4万円増加、未経験者求人は3.1万円増加、経験者求人は4.1万円増加となり、コロナ禍前の2019年から正社員求人における初年度年収は増加傾向にあることが分かった。
■2019年の年間平均を100%とした求人件数推移
求人件数は、2019年平均を基準として147.4％、2022年平均と比較して15.4ポイント増加した。また、3カ月ごとの推移をみると、2023年は年間を通して求人件数が増加し続けていることが明らかに。
企業の中途採用意欲は高まっており、今後も転職市場は活発に動いていくことが予想されるという。
■求人の募集条件比率推移
求人の経験者・未経験者の募集比率は、未経験者求人が67.4％、経験者求人が32.6%となり、2022年平均と比較すると、未経験者求人の比率が微増した。
今後はさらにIT化やDXが進む中で、高度な技術を持つ人材のニーズが高まることが予想され、経験者未経験者の募集比率にも影響が出るのではないかと同社は考察している。
■2023年平均で正社員の初年度年収が高かった業種ランキング（上位）
正社員の平均初年度年収が高かった業種ランキングは、1位が「IT・通信・インターネット」で518.4万円、2位が「金融・保険」で516.1万円、3位が「コンサルティング」で501.5万円となった。
■【未経験者募集】2023年平均で正社員の初年度年収が高かった業種ランキング（上位）
未経験者求人（職種・業種ともに未経験で応募可能の求人）のみに絞ってみると、1位が「IT・通信・インターネット」で473.1万円、2位が「不動産・建設・設備」で466.3万円、3位が「コンサルティング」で464.6万円という結果に。
■2023年年間平均で【未経験者募集求人】が多かった業種ランキング（上位）
年間で未経験者募集求人の比率が高かった業種ランキングは、1位が「運輸・交通・物流・倉庫」で84.4%、2位が「サービス・レジャー」で82.7%、3位が「環境・エネルギー」で81.9%となった。
運輸・物流業界では、「物流の2024年問題」として労働力不足が予想されているため、「運輸・交通・物流・倉庫」業界では、未経験者の募集を積極的にすることで問題への対応を図っていることが伺える。
■2023年年間平均で【経験者募集求人】が多かった業種ランキング（上位）
経験者募集求人の比率が高かった業種ランキングは、1位が「IT・通信・インターネット」で52.6%、2位が「メーカー」で40.2%、3位が「金融・保険」で40.0%となった。
IT業界では、生成AIの急速な拡大をはじめ技術の革新スピードがさらに速まっており、それらに対応できる経験者を獲得しようとしている企業が多いことが伺える。
【調査概要】
調査期間：2023年1月1日～2023年12月31日
調査機関：マイナビ
集計対象データ：総合転職情報サイト『マイナビ転職』に掲載開始された求人情報、応募数から下記除外対象データを除き集計
※除外対象：雇用形態が正社員以外
※厚生労働省「国民生活基礎調査 所得の分布状況」を元に、所得金額上側1％を本レポートでは外れ値として設定
集計対象エリア：全国47都道府県
＜参考＞マイナビ『正社員の「平均初年度年収」と「求人件数」の2023年総評』