エフェクトは、中小企業の経営者を対象に「人的資本経営の実態と課題感」に関する調査を実施し、その結果を公表した。
■8割以上が人的資本経営を重要視
人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方のこと。
同調査で、人的資本経営をどの程度重要視しているか聞いたところ、「とても重要視している」が47.3%、「やや重要視している」が36.8%と、約85%の中小企業経営者が、人的資本経営を重要視していると回答。
続いて、人的資本経営について課題に感じることはあるか聞いたところ、「(課題はあれど)何をすべきかわからない」が18.7%、「(課題はあれど)どこから手を付けるべきか悩んでいる」が39.2%、「(課題はあれど)まだ何も手をつけていない(つけられていない)」が23.8%と、課題はあるがどこから手を付ければよいか悩んでいる割合が高い結果に。
人的資本経営の重要性は理解しているが、人材育成に反映できていない実態が浮き彫りになっているとのことだ。
■自社に必要な力は「チーム・組織をつくる(運営する)力」が約半数
今後自社に必要なのはどのような力だと思うか聞くと、「チーム・組織をつくる(運営する)力」と回答した人が44.8%と最も多く、次いで「自ら課題を発見する力」が41.1%、「問題解決力」が38.0%と続いた。
■教育は「自主性に任せる」が3割超、研修は「何も行っていない」が4割超
自社内ではどのように人材育成を行っているか聞くと、「自主性に任せていて会社としては実施していない」が34.3%と最も多い結果に。
さらに、実施している研修を聞いたところ、「何も行っていない」が42.7%と4割以上を占めることが明らかになった。
■教育・研修の成果が出ている企業は2割未満にとどまる
教育・研修の効果はどのくらいあるか聞くと、「その場は効果があるが持続しない」が37.0%と最も多く、次いで「自分の仕事に応用させることが難しい」が27.3%、「まったく出ていないと思う」が18.5%と続いた。「大きな変化が起きている」と回答した人は最も少なく17.2%にとどまる結果に。
また、成果が出ていない理由や原因を把握できているか聞いたところ、「あまり把握ができていないと思う」が53.1%、「全くできていないと思う」が31.9%と、8割以上の人が研修の成果が出ていない理由を把握できていないことが明らかになった。
さらに、成果が出ていない理由や原因について、自社内でどのようなフォローをしているか聞くと、「あまりフォローができていない」が77.4%と最も多い結果に。
【調査概要】
調査内容:「人的資本経営の実態と課題感」に関する実態調査
調査対象:調査回答時に中小企業の経営者であると回答したモニター
調査人数:1,006名
調査期間:2023年11月7日~8日
調査方法:リンクアンドパートナーズが提供する調査PR「RRP」によるインターネット調査