KINTOは、現在クルマを保有しており環境問題に関心があると回答した550名を対象に、昨年に引き続き「電気自動車(BEV)への関心度調査2023」を実施し、その結果を公表した。

■電気自動車の保有率は11.8%で昨年より3.6ポイントアップ。ガソリン車は保有率64.2%で5.1ポイントダウンの結果に

同調査で、現在保有しているクルマの種類を質問したところ、「ガソリン車」が64.2%、「ハイブリッド自動車(HEV)」が38.7%、「電気自動車(BEV)」が11.8%という結果に。

現在保有しているクルマの種類

■次に買い替えるとしたら、56.7%がハイブリッド車、34.4%が電気自動車を選択

クルマを買い換えるとしたら次は何を選びたいか聞いたところ、「ハイブリッド自動車(HEV)」が56.7%、「ガソリン車」が41.3%、「電気自動車(BEV)」が34.4%という回答となった。昨年と大きくトレンドは変わらず、依然HEVの人気がうかがえるとのことだ。

クルマを買い換えるとしたら次は何を選びたいか

■買い替える際に「電気自動車」を選ぶ理由、昨年と変わらず「排気ガスなく環境に優しいから」が最多

前問で「電気自動車」と回答した人にその理由を尋ねると、上位から「排気ガスなく環境に優しいから」が54.5%、「走行コストが安いから」が43.9%、「世界的な風潮だから」が42.9%という結果に。

さらに、昨対比で伸びている項目に注目すると、「世界的な風潮だから」が42.9%(+8.5%)、「補助金を受けられるから」が34.4%(+5.2%)、「身の回りに充電スポットが整備されているから」が13.2%(+4.3%)といったトレンドが読み取れるという。

「電気自動車」を選んだ理由

■クルマ買い替えで電気自動車を選ばない理由、昨年と同じく「車両価格が高額」が最多

次に買い換えたいクルマとして「電気自動車」以外を回答した人に、電気自動車を選ばない理由を聞いたところ、48.6%が「車両価格が高額」、41.7%が「フル充電で走れる距離(航続距離)が短いから」、39.3%が「外出先で充電できる場所が少ない」と回答。

全体的にポイントが昨年より緩和されている傾向があるが、「自宅に充電できる場所がない」が5.2ポイント増の36.3%と大きく伸びているという。

電気自動車を選ばない理由

■昨年に引き続き、約7割が電気自動車に「車両価格の値下げ」を期待

電気自動車に期待することを質問したところ、「車体価格を下げてほしい」が69.6%、「フル充電で走れる距離(航続距離)を伸ばしてほしい」が52.5%、「外出先でも充電できる環境を増やしてほしい」が48.5%という結果に。

電気自動車に期待すること

■約4割が「自宅近辺に電気自動車の充電ステーションがある」と回答

現在自宅近辺に電気自動車(BEV)の充電ステーションがあるか聞くと、「十分にある」が9.6%、「ややある」が28.9%という回答に。自宅周辺へのBEV充電ステーションの普及は約4割と、まだ十分には整っているといえない状況であることが明らかになった。

自宅近辺に電気自動車(BEV)の充電ステーションがあるか

■「2035年までに乗用車新車販売で電動車100%実現」の取り組み、54.9%が「ポジティブ」、26.9%が「ネガティブ」な印象

日本政府は2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指すことを宣言し、その取り組みの1つとして、2035年までに乗用車新車販売で電動車100%を実現できるよう、包括的な措置を講じるとしている。

この取り組みに対してどのように受け止めているか聞いたところ、「ポジティブ」が16.4%、「どちらかというとポジティブ」が38.5%、「どちらかというとネガティブ」が14.7%、「ネガティブ」が12.2%という結果に。

2035年までに乗用車新車販売で電動車100%を実現することについてどう受け止めているか

前問で「ポジティブ」「どちらかというとポジティブ」と回答した人に、その理由を聞いたところ、57.0%が「未来のテクノロジーである電動車に期待しているから」、46.4%が「環境問題の解決につながると思うから」、40.1%が「環境に配慮した車の種類が増えると思うから」と回答。

電動車100%の実現をポジティブに受け止めている理由

また、自由回答では以下のような回答が得られた。

<自由回答・一部抜粋>
・ガソリンの消費抑制(34歳)
・電気自動車が乗りやすくなる環境ができそうだから(37歳)
・何かしらの施策無しには実現は困難だから(57歳)
・新車価格が下がると思うから(49歳)

一方、「ネガティブ」「どちらかというとネガティブ」と回答した人にもその理由を聞いたところ、「充電に時間がかかるから」が47.3%、「バッテリー劣化による定期的な出費が増えると思うから」が45.9%、「車体価格が高騰すると思うから」が39.2%という結果に。

電動車100%の実現をネガティブに受け止めている理由

また、自由回答では以下のような回答が得られた。

<自由回答・一部抜粋>
・電気代が上がりそう(29歳)
・メンテナンスに値段がかかりそう(37歳)
・電気自動車の方が環境負荷が高いと思うから(58歳)
・耐久性が不安(58歳)
・災害時に充電ができない(61歳)

【調査概要】
調査対象:現在クルマを保有かつ環境問題に関心があると回答した550名
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー」の企画によるインターネット調査
調査期間:11月15日〜24日

<参考>
KINTO「2023年の「電気自動車(BEV)」保有率は前年比3.6ポイント増の11.8%、買い替え検討者は前年横ばいの34.4%に」