この1年で新しいことを学んだ新入社員は約9割 一方「リスキリング」を説明できる新入社員は4割未満

新入社員

日本能率協会マネジメントセンターは、新入社員の意識と行動、指導者の指導と育成に関する調査報告書「イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2023」を公開した。

■7割以上が「安定した環境で、着実に仕事を進める」ことを志向し、出社も意欲的

同調査で、74.2%以上の新入社員が「変化のある環境よりは、安定した環境で着実に仕事を進めていけることを好む」と回答したほか、「無理のない範囲で業務に取り組みたいと思う」という新入社員は53.9%と、上司・先輩の回答と比較し10%以上の差が出る結果に。

新入社員は、挑戦するよりも無理のない範囲で業務に取り組みたいという思いがあり、安定した職場環境を好む傾向があるとのことだ。

業務負荷や労働時間が増えても挑戦するより無理のない範囲で業務に取り組みたいか/変化のある環境より安定した環境を好むか

実際の働く環境について聞くと、新入社員の40.7%は「自分の意思で出社する」、60.0%は「テレワークよりもできる限り出社して仕事をしたい」と回答。

自分の意思で出社する回数が増えたか/テレワークよりも出社したいか

■新入社員はジェンダーへのステレオタイプな発言を忌避し、人との調和を大切にする傾向

「個人の裁量に任せられる職場よりチームワークを重視する職場」を好む新入社員は60.1%となり、先輩・上司の回答割合より約10%多い結果に。

また、「この1年間で周囲との関係が近づいた」と感じる新入社員は74.4%にのぼり、人と人との調和を大切にする様子が伺えるとのことだ。

さらに、「ジェンダーに関するステレオタイプやそれに基づく発言を不快に感じる」新入社員は51.6%、上司・先輩比では+12.4%となり、多様性やインクルージョンに対する意識が高いといえるという。

個人の裁量に任せられる職場よりチームワークを重視する職場を好むか/1年間で周囲との関係が近づいたか/ジェンダーに関する発言等を不快に感じるか

■学びの意欲はある一方、具体的な行動や投資には慎重な傾向

新入社員において、「この1年間で自ら新しいことを学んだ」という人は87.3%、「新たな職務に挑戦するため新しいスキルを学ぶ必要性を認識している」という人は87.5%と、どちらも上司・先輩より約10%以上高い回答割合となり、学びへの意欲が高いことが伺えるとのことだ。

一方、「学びに投資する金額を決めている」と回答している割合は41.8%で、上司・先輩の割合より-10.8%となり、学びへの具体的な行動や投資には消極的、もしくは上限を設けない傾向が伺えるという。

1年間で自ら新しいことを学んだか/新たな職務に挑戦するため新しいスキルを学ぶ必要性を認識しているか/学びに投資する金額を決めているか

■新入社員の半数以上が「リスキリング」という言葉を知らない

「リスキリングという言葉を知っている」「その目的などを人にも説明できる」と答えた新入社員はいずれも半数以下という結果に。先輩・上司とのギャップは20%以上となった。

リスキリングという言葉を知っているか/目的の説明ができるか/積極的にAIなどを学んでいるか/自己開発としてリスキリングを重視しているか

■半数以上の新入社員が自分の行動や言動に自信がない

「自分自身の行動や言動に自信がある」と回答した新入社員は42.7%と、上司・先輩の回答率より14.4%低い結果に。

また、「この1年間で働くことに不安を感じた」という新入社員は67.6%と7割近くにのぼった。

さらに、「仕事の成果が出ている」という新入社員は55.8%と、上司・先輩と比べ13.4%低い結果に。

自分自身の行動や言動に自信があるか/1年間で働くことに不安を感じたか/仕事の成果が出ているか

<参考>
日本能率協会マネジメントセンター「【イマドキ新人社員の仕事に対する意識調査2023】「リスキリング」の言葉は知らないが、学びの意欲は高い新入社員」

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