みずほ銀行は、2024年1月からの新NISA制度の開始を機に、全国の20~50代以上の720名を対象とした「投資に関する調査」を実施し、その結果を公表した。

その結果、20代は特に未来よりも今への投資をしたい傾向があることや、投資をする中でお金の不安を抱えていることなどが浮き彫りになった。また、4割以上の人がNISAなど投資の相談先がないことが分かった。

20代は「趣味への投資」、30代以上は「将来への金銭的投資」を重視

直近1年以内で投資しているものについて、20代は「趣味への投資(推し活、趣味活動など)」、30代以上は「将来への金銭的投資(資産形成、NISAなど)」が1位となった。

また、20代は「趣味」「自身のスキル(勉強、資格取得など)」への投資の回答割合が高く、「未来よりも今」への投資を優先している傾向が明らかとなった。

直近1年以内で投資しているもの

今後最も重視したい投資は、全年代で「将来への金銭的投資(資産形成、NISAなど)」が1位に。

今後最も重視していきたい投資について多い順で並べると、上位から「将来への金銭的投資(資産形成、NISAなど)」、「趣味への投資」、「子供や孫への投資(教育など)」、「自身のスキルや外見、自分磨きへの投資(美容、勉強、資格取得など)」、「人脈への投資(友人との飲み会、サークルなど)」、「ペットへの投資(飼育費など)」という結果となった。

今後最も重視したい投資

「推し活」への投資額は月100万円超も

「趣味への投資」で最も投資しているものについては、1位が「推し活」、2位が「旅行」、3位は「食事」と続いた。

「趣味への投資」で最も投資しているもの

趣味の月平均の投資金額については、「1万円未満」と「1万円~3万円未満」で67.8%で、無理のない範囲で資金捻出していることが伺えるが、中には月100万円以上と回答する人も。

「趣味への投資」月平均投資額

また、最も投資している推し活については、「国内アイドル・俳優」が1位、「K-POPアイドル、海外アーティスト・俳優」が2位、「漫画やアニメキャラなど」が3位という結果に。

直近1年間の「趣味への投資」推し活内訳

「自身のスタイルや外見、自分磨きへの投資」については、「勉強・自己啓発」への投資が1位となった。

「自身のスタイルや外見、自分磨きへの投資」で具体的に投資しているもの

投資金額について、全体では1万円以内が約45%を占めていた一方で、20代の約37%は「1~3万円」、約28%は3万円以上と回答するなど、自己投資にお金をかけている傾向が見られた。

「自身のスタイルや外見、自分磨きへの投資」月平均投資額

推し活をしている人の約80%は「お金に不安を感じている」

推し活をしている中で「お金に不安を感じている」と回答した人は約80%で、特に20代は約90%が「不安がある」と回答した。

推し活を行う上でのお金の不安

お金についてどんな不安を感じているか聞くと「将来収入が減るかもしれない」が1位、「月々の貯蓄が少ない」が2位、「将来いくら必要かわからない」が3位、「つい使いすぎている」が4位に。

推し活を行う上でお金に不安がある理由

推し活の資金の捻出方法については「節約している」が最も多く約67%。次いで「貯金を切り崩している」が約30%で、節制し資金を捻出している人が多いことが判明。

現在の推し活の資金の捻出方法

今後の捻出方法では、投資(NISA)を検討している人が約27%と、NISAが注目されていることも分かった。

今後検討している推し活資金の捻出方法

NISA利用率は4割超、将来への備えだけでなく「今」にもお金をかける傾向

NISAの利用状況について聞いたところ、現在利用している人は約36%。

NISA利用状況

新NISAを機に利用開始予定・検討中の人は全体で約19%、世代別では20代が最も多く約23%と、これまでNISAを始めていなかった人もNISA運用を始める機運があることが明らかになった。

現在利用している人とこれからNISAを始めようと思っている人を合わせると半数超となり、これからますますNISAの利用率が上がっていくものと予想されるとのことだ。

新NISA利用予定

また、NISAでお金を貯めてやりたいことについて、「老後資金に充てる」が1位、「投資」が2位、「家族・友達旅行」が3位となり、将来に向けた備えだけでなく今にもお金をかける傾向が明らかに。

新NISA貯めた資金の使い道

年代別に見ると、特に20代では、今の投資の中でも「一人旅」「推し活」「美容」などを重視する回答が多く、30代では、20代と同様「推し活」「美容」など今にお金をかけつつも、「老後資金に充てる」との回答が20代と比較して多くなった。

NISA開始の「足踏み」理由、1位は「損をしないか不安になった」

投資への意欲はある一方で、NISAを始めようと思ったが「すぐに始められなかった」と答えた人は全体で約26%。20代は約32%、30代は約28%で、若い世代ほど足踏みをしてしまった経験があることが分かった。

NISAをすぐに始められなかった経験

NISAをすぐ始めなかった足踏み理由の1位は「損をしないか不安になった」で約21%。次いで「内容がしっかり理解できなかった」が約15%で2位、「手続きが煩雑でわからなかった」「調べる時間がなかった」が約13%で同率3位と続いた。

さらに、将来への金銭的投資(資産形成、NISAなど)の困った際の相談先について聞くと、全体の40%以上が「相談先がない」ことも分かった。

将来への金銭的投資(資産形成、NISAなど)の困った際の相談先

【調査概要】
調査名:「投資とNISAに関する調査」
調査対象者:全国20代~50代以上、男女720名
データ集計期間:2023年11月22日~11月24日
調査方法:インターネット調査

<参考>
みずほ銀行『投資とNISAに関する調査