大和ハウスグループの大和リースは、育児休業を取得した職員の仕事を代わりに支えた従業員(正社員のほか契約社員などを含むすべての従業員が対象)へ賞与を再分配する「サンキューペイ制度」を2023年の年末賞与より導入したことを発表した。
■「サンキューペイ制度」について
同社は4月より、子どもが生まれた職員に支給する一時金「エンジェル奨励金」の支給基準を見直し、男性の育児休業取得日数に応じて支給額を最大100万円に増額するなど、男性育休の中長期取得を推奨しているという。
一方で、育休取得者が担当していた業務については、一定期間同僚が引継ぐことで実務を支えている実態があることから、育休中に職場を支えている従業員に報いる施策として同制度を新設。
育休職員から同僚への「感謝(Thank you)の気持ち」と同僚から育休職員への「産休(さんきゅう)応援」の意味を込めたネーミングとして「サンキューペイ制度」としたという。
本来であれば育休職員へ支払う予定であった賞与原資を同僚やチームへ再分配する仕組みとすることで、育休職員は同僚へ気を遣うことが減り、代わりに職場を支える従業員にも相応の手当が支給されることとなり、職場全体の納得感と一体感を高める効果があると想定しているとのことだ。
制度適用条件:下記(1)~(3)を全て満たすこと
(1)育休中に代替要員の補充がない
(2)部門全体の業務量等に軽減措置がない
(3)育休取得の合計日数が15日以上(2024年度以降は30日以上)
制度の仕組み:
賞与額を決定する1つの要素である「出勤率」は、育児休業中は出勤扱いにならないため、仮に6カ月3カ月の育休を取得すれば、賞与額は50%となる。この際に支払われない50%分(出勤率により減算された額)を同僚へ再分配するという(再分配先は複数名も可)。
対象期間:
原則子どもが1歳に達するまでの間(1年間)
(1年を超える程度の長期休業になる場合は後任の配置を基本とするという)
制度のねらい:
同社は従業員の「仕事」と「育児・家事」の両立支援のため、男性の育児休業取得を推進。男性育休の長期取得を促進し、女性活躍を推進することで、多様な人財の活躍と業績の拡大を図ることを目的としているという。