Googleは、次世代AIモデル「Gemini」を発表した。マルチモーダルとしてゼロから構築されたGeminiは、テキスト、画像、音声、動画など、さまざまな種類の情報を一般化してシームレスに理解し、操作し、組み合わせることができる。

Google、次世代AIモデル「Gemini」を発表

Geminiは、Google Researchのメンバーを含むGoogle全体での大規模な共同研究の成果であり、Geminiの最初のバージョンであるGemini 1.0は、3つのサイズで提供される。

・Gemini Ultra:非常に複雑なタスクに対応する、高性能かつ最大のモデル
・Gemini Pro:幅広いタスクに対応する最良のモデル
・Gemini Nano:デバイス上のタスクに最も効率的なモデル

Geminiのパフォーマンスは、既存のマルチモーダルモデルよりもはるかに優れており、ほぼすべてのドメインで最高水準であるという。

・自然な画像の理解から数学的推論、音声や動画の理解に至るまで、広く使用されている32の業界ベンチマークのうち30で、Gemini Ultraのパフォーマンスは既存の最高水準の結果を上回っている。

・Gemini Ultraは、数学、物理学、歴史、法律、医学、倫理など57の科目の組み合わせて知識と問題解決能力をテストするMMLUで90.00%をスコアし、人間の専門家を上回るパフォーマンスを示した初のモデル。

・Gemini Ultraは、意図的な推論を必要とする異なるドメインにまたがるマルチモーダルタスクで構成される新しいMMMUベンチマークでも、59.4%という最高水準のスコアを達成した。

Geminiは、テキスト、画像、音声などを同時に認識して理解できるようにトレーニングされているため、ニュアンスを含んだ情報をより理解し、複雑なトピックに関する質問に答えることができる。特に数学や物理学の推論の説明に優れているという。

また、Python、Java、C++、Go など、世界で最も広く利用されているプログラミング言語の理解、説明、そして高品質なコードを生成可能。

Geminiは、Googleの各製品を通じて数十億人のユーザーに提供されるとのことだ。

・Bard:理解と要約、推論、ブレインストーミング、文章編集、計画の立案など、Bardでできることが大幅に向上する。
・Google Pixel 8 Pro:Gemini Nanoを搭載し、レコーダーアプリの要約などの新機能が強化される。
・Google Search、広告、Chrome、Duet AI:今後数か月間かけて、Geminiが利用可能になる。

なお、Gemini Ultraは、信頼できる外部関係者によるレッドチームを含む広範な信頼性および安全性チェックを実施するとともに、展開前のファインチューンと人間のフィードバックによる強化学習(RLHF)によってモデルのさらなる改良を行っているという。

来年の開発者や企業への公開前に、初期実験とフィードバックを目的とし、一部の顧客、開発者、パートナー、安全責任専門家に提供するとのことだ。

Googleは、Geminiの開発を継続し、責任を持ってモデルを進化させていくとしている。