8割以上の企業が中期経営計画を策定 「目標数値を掲げているが具体的な戦略が不足している」という課題も

タナベコンサルティングは、全国の企業経営者、役員、経営幹部、経営企画部責任者・担当者などを対象に実施した「2023年度 長期ビジョン・中期経営計画に関する企業アンケート調査」を実施し、その結果を公表した。

■中期経営計画(3~5年)を「策定している」企業は8割以上に。昨年対比で約7ポイント増加

中期経営計画(3~5年)の策定状況について聞いたところ、81.2%の企業が「策定をしている」と回答。昨年の同設問の結果を見ると、「策定している」と回答した企業が74.0%だったため、昨年と比較して約7ポイント増加していることが分かった。

中期経営計画(3~5年)の策定状況

■中期経営計画の策定体制は「経営幹部が中心となって策定」が半数以上に

「中期経営計画を策定している」と回答した企業を対象に、中期経営計画の策定体制について尋ねると、「経営幹部が中心となって策定」が54.5%と最多に。

次いで「役員が中心となって策定」が47.9%、「経営企画部が中心となって策定」が44.7%だった。昨年と比較しても、中期経営計画を策定する体制がより幅広くなっていることが分かった。

中期経営計画の策定体制

■長期ビジョンの構築状況は約7割の企業が「構築していない」と回答

長期ビジョンの構築状況について尋ねると、66.0%の企業が「構築していない」と回答し、昨年の同アンケート結果と比較すると、長期ビジョンを構築している企業は1.4ポイント増える結果に。

長期ビジョンの構築状況

■長期ビジョン・中期経営計画の課題は「目標数値を掲げているが具体的な戦略が不足している」が半数以上と最多

現在の長期ビジョン・中期経営計画の課題について尋ねると、「目標数値を掲げているが具体的な戦略が不足している」が54.5%、次いで「計画・ビジョンを定めているが推進できていない」が34.8%となり、打ち手に関する課題が上位に挙げられた。

また、「定期的に計画・ビジョンを見直す仕組みがない」という回答は、昨年と比較し6.2ポイント増加する結果に。

現在の長期ビジョン・中期経営計画の課題

■重点テーマは約7割が「収益改善、新商品・新事業開発」と回答 「人的資本経営」関連も増加

次期の長期ビジョン・中期経営計画における重点テーマについて尋ねると、「収益改善、新商品・新事業開発」が66.2%で最多だった。次いで「人的資本経営・人材育成・採用(タレントマネジメントなど)」が40.6%となり、昨年と比較し増加する結果になった。

次期の長期ビジョン・中期経営計画における重点テーマ

【調査概要】
調査対象:全国の企業経営者、役員、経営幹部、経営企画部責任者・担当者など
調査期間:2023年9月4日~2023年9月22日
調査エリア:全国
有効回答数:468件(インターネットによる回答)

<参考>タナベコンサルティング『中期経営計画は8割の企業が策定も、長期ビジョンと連動できている企業は約3割!策定状況や戦略・推進への課題が浮き彫りに。「2023年度 長期ビジョン・中期経営計画に関する企業アンケート調査」結果を発表

モバイルバージョンを終了