長崎県松浦市は、セイノーホールディングス(以下、セイノーHD)、エアロネクスト、NEXT DELIVERY、KDDIスマートドローンと共同で、11月29日に松浦市において「離島におけるドローン配送」の実証実験を実施した。
同実験は、松浦市の離島である鷹島を中心とし複数の離島を空で連結することを想定したもので、買い物難民問題や有事の際などの孤立問題の解決を目的としているという。
具体的には、鷹島と内地を陸上配送で結び、鷹島島内をドローンとトラックでハイブリッド配送することで効率化を図り、さらに鷹島から隣の黒島へドローンで即時配送するルートを構築し、緊急物資、買い物サービス、フードデリバリーのシナリオで配送サービスを実施。
また、住民の理解度向上、地域課題の洗い出しを目的として、道の駅鷹ら島を仮設のドローンデポ®とし、船唐津港、黒島港にドローンスタンドを設置。
実験では、エアロネクストが開発した物流専用ドローン「AirTruck」を使用し、機体の制御には、KDDIスマートドローンが開発したモバイル通信を用いて機体の遠隔制御・自律飛行を可能とする「スマートドローンツールズ」の運航管理システムを活用したという。
11月29日の報道関係者への公開では、道の駅鷹ら島から船唐津港までの片道約7.3㎞・約16分を、往復で荷物を搭載してドローン配送したほか、道の駅鷹ら島から黒島港までの片道約5.8㎞を約13分でドローン配送したとのことだ。
友田市長は、質疑のなかでの今後どのような形で実用まで考えて行きたいかの問いに、「物流の2024年問題など輸送の課題を解決すると言う事、それに合わせて松浦市の3つの有人離島に暮らす住民の生活を支えて、離島で暮らしやすい環境づくりにドローンを活用して支援できればと思う」とコメントした。
今後も、松浦市は、地域住民への理解促進および地域課題の解決へ向けドローンをはじめとする次世代高度技術を活用し、ドローン配送と陸上配送を融合した新スマート物流「SkyHub」の社会実装に向けた検討を進めるとしている。