建設現場の「残業規制」、約8割の現場社員が歓迎 一方で40代以上の現場社員は「歓迎していない」が半数を超える

建設業 kensetsu

ウィルグループの建設業界に特化した人材サービスを展開するウィルオブ・コンストラクションは、全国の建設現場で就業する10~60代の社員490名を対象に、「残業規制に関する意識調査」を実施し、その結果を公表した。

建設業では、働き方改革の一環として2024年4月1日から残業規制が適用される。適用後の時間外労働の上限は、原則として月45時間・年360時間となり、特別の事情がなければこれを超えることはできないという。同調査では、この残業規制に関して実際に建設現場で働く社員がどう感じているか、現場の本音について調べたとのことだ。

■77.1%が残業規制に向けて就業現場で具体的な取り組みを始めていると回答

2024年4月施行の残業規制について、就業先の現場での取り組みは進んでいるか聞いたところ、77.1%の人が「はい」と回答。多くの現場が取り組みを進めている一方で、22.9%の現場においては、取り組みが進んでいる実感があまりないと感じていることが明らかになった。

「残業規制」について、就業先の現場での取り組みは進んでいるか

■30代以下の84.4%が「残業規制を歓迎」する一方、40代以上の54.4%が「歓迎しない」と回答

次に、残業規制の適用を歓迎するか聞いたところ、75.7%の人が「歓迎している」と回答。

年代別にみると、30代以下では残業規制の適用を「歓迎している」と回答した割合が84.8%なのに対し、40代以上では45.6%という結果に。働き盛りで現場での責任も大きくなる40代以上は、残業規制の適用に懸念や不安を抱えている方が多いと考えられるとのことだ。

残業規制の適用を歓迎するか(年代別)/残業規制の適用を歓迎するか(30代以下・40代以上)

■残業規制を歓迎しない理由第1位は「給与が下がる」、2位は「サービス残業が増える」

最後に、残業規制を歓迎する理由・歓迎しない理由を聞いたところ、残業規制を歓迎する理由は、「余暇(自分の時間)が増える」が78.7%でトップ、次いで「休息の時間が増える」が52.8%という結果に。

一方で、残業規制を歓迎しない理由は、「給与(残業代)が減る」が31.6%でトップとなり、次いで「仕事が終わらず、サービス残業が増える」が30.0%、「工期・納期が間に合わなくなる」が22.0%と続いた。

サービス残業が増えることへの懸念については、20~30代の若手に特に多い結果に。残業規制が適用されても業務量が削減されるわけではないため、サービス残業の発生や納期遅れの不安を感じている人が多いことが明らかになった。

残業規制を歓迎する理由/歓迎しない理由

■調査概要
調査タイトル:建設業界で働く社員の残業規制に関する意識調査
調査期間:9月25日~10月6日
調査方法:オンライン上でのアンケート調査
調査対象:建設現場で勤務する10~60代の技術社員
有効回答数:490

<参考>
ウィルオブ・コンストラクション「建設業界で働く社員の残業規制に関する意識調査」

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