アサヒグループジャパンは、再生可能エネルギーの活用を推進するため、アサヒビール茨城工場(茨城県守谷市)と吹田工場(大阪府吹田市)へPPAモデルによる太陽光発電設備を導入し、本格的に稼働することを発表した。

両工場内に太陽光発電設備を設置することで、アサヒビールの全工場における再生可能エネルギーの使用率は約38%に向上。工場内で発電することで工場内における再生可能エネルギーの使用率向上を図るとともに、電力の安定的な供給に取り組むとのことだ。

PPAモデルとは、“Power Purchase Agreement(電力販売契約)モデル”の略で、PPA事業者が事業者の敷地内に太陽光発電設備を無償で設置し、発電した電力を事業者が購入するビジネスモデル。PPAモデルを採用することで事業者は設備における初期投資や設備の維持・管理の負担がないというメリットがあるという。

同社の国内工場では、2021年から購入電力の再生可能エネルギーへの切り替えを進めており、4月に国内全31工場で購入電力の再エネ化100%を達成。同社は今後も、グローバルな推進体制の構築や目標設定によって、グループ全体でサステナビリティを推進していくとのことだ。

■茨城工場の太陽光発電設備について

茨城工場内にある倉庫の屋上などに太陽光パネルを4,820枚設置。総パネル設置範囲面積は12,600平方メートル、発電見込み量は3,041ミリワットアワー/年、発電設備パネル容量は2,651キロワットとのことだ。

これまで茨城工場では、2019年に太陽光発電設備を導入していることに加え、電力会社を通じて再生可能エネルギー発電所などで発電された環境価値(トラッキング付非化石証書)(※)が付与された電力を購入していたという。

今回の設備導入により、茨城工場内の太陽光による発電見込み量は増え、これまで同工場が外部から調達していた再エネ電力の約45%に相当するとのことだ。

茨城工場

■吹田工場の太陽光発電設備ついて

吹田工場内にある製造施設屋上には、太陽光パネルを2,410枚設置。総パネル設置範囲面積は11,166平方メートル、発電見込み量は1,638ミリワットアワー/年、発電設備パネル容量は約1,315キロワットだという。

これまで吹田工場では、電力会社を通じて再生可能エネルギー発電所などで発電された環境価値(トラッキング付非化石証書)が付与された電力を購入していたとのことだ。今回の設備導入により、吹田工場内の太陽光による発電見込み量は、これまで同工場が外部から調達していた再エネ電力の約16%に相当するとしている。

吹田工場

(※)太陽光などの非化石電源により発電された電気について、非化石電源由来であることの価値を証書の形にしたもので、電源種や発電所所在地などのトラッキング情報が付与されている。