電源開発(以下、Jパワー)は、北九州市と連携して、「北九州港港湾脱炭素化推進協議会特別講演会」を国内で初めてゼロ・カーボンで開催すると発表した。
会議開催に伴い発生するCO2(9.1t-CO2)を、Jパワーが北九州市内で実施したプロジェクトで認証を受け保有しているJブルークレジット(※1)を用いることでオフセットするという。港湾・海洋など海に関する会議を、海から創出したJブルークレジットでオフセットするのは国内初の事例となる。
Jパワーでは、茅ヶ崎研究所が北九州市にある若松総合事業所の構内で、Jブルーコンクリート(産業副産物を多量に活用した低炭素素材)を用いた消波ブロックでのブルーインフラ(※2)整備を実施中だという。同ブロックに付着した海藻が吸収するCO2をJブルークレジットとして継続的に認証を受けているとのことだ。
Jパワーは、ブルーインフラを補修工事等で積極的に用いること、またその結果繁茂した海藻類由来のJブルークレジットを活用してCO2オフセットを行うことで、2021年2月に掲げた「J-POWER”BLUE MISSION 2050″」におけるカーボンニュートラルの実現に向けて、今後も継続的に脱炭素と地域共生との両立を実現する活動に積極的に取り組んでいくとしている。
※1 経済産業省が中心となり策定した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」において推進が定められたブルーカーボンのオフセット制度の実現に向け、国土交通省により設立認可されたジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)から認証・発行されるクレジット。海洋生物の作用によって海に貯留された炭素であるブルーカーボンの定量化取引が可能となる。
※2 藻場・干潟等及び生物共生型港湾構造物のこと。国土交通省は2022年度より「命を育むみなとのブルーインフラ拡大プロジェクト」を開始する等、ブルーインフラ拡大を目指しているとのこと。