Google Japanは、2023年3月から6月にかけて、旅行を予定していた人を対象に、旅行前後でアンケートやインタビューを実施し、その結果を基に2023年の旅行動向に関する記事を公開した。
同調査では、ある人がそれぞれの旅行スタイルごとに重視している要素を探るために、因子分析手法を採用。回答の背景にある意識を「因子」として共通項でまとめ、旅で重視する要素(重視ファクター)としている。
具体的には、「一人旅」「友人・知人との旅行」「パートナーとの旅行」などのスタイルから、旅に求める要素や計画の立て方がどのように異なるかを分析。その結果、海外旅行と国内旅行の両方において、旅行スタイルによって重視する要素が異なることが明らかとなった。
■海外旅行編:8つの重視ファクターから分析
海外旅行については、重視ファクターを下図の8つに分類。
一人旅では、「予算に見合った体験に出会いたい」「歴史や自然、異文化を目の当たりにしたい」が高い一方で、「SNSや作品で見た場所を追体験したい」「話題の場所に行ってトレンドに乗りたい」といった要素は4つの旅行スタイルの中で最も低い結果となった。
家族旅行では、「ストレスフリーで行動したい」「慣れた場所で魅力を追求したい」が高いことが特徴的。この2つを重視しているのは家族旅行だけとなったという。家族旅行ならではの苦労や手間をできる限り感じずに旅行したい、そのためにも旅行先は以前に行ったことがある場所にしたい、といった意識が見えるとしている。
配偶者・パートナー旅では、「歴史や自然、異文化を目の当たりにしたい」が高い一方で、それ以外のファクターは全体平均よりも低い傾向に。
友人旅では、「SNSや作品で見た場所を追体験したい」が高く、趣味が合う友人との旅行を楽しんでいるようだと分析している。
■国内旅行編:7つの重視ファクターから分析
続いて、国内旅行についても、海外旅行と共通する「予算に見合った体験に出会いたい」「SNSや作品で見た場所を追体験したい」「サポートが充実した環境で旅を満喫したい」を含む以下7つの重視ファクターに分類。
全体として、海外旅行では異文化探求など新しい刺激を求める傾向が強かったのに対して、国内旅行では旅行ならではの楽しみは求めつつも、その前提として安心安全な環境であることや癒しが得られることを重視する傾向が見えたとのことだ。
一人旅では、「サポートが充実した環境で旅を満喫したい」が高い一方で、「SNSや作品で見た場所を追体験したい」「極力疲れずに過ごしたい」といったファクターは低くなった。
インタビュー調査でも、こうした傾向を裏付けるコメントがあったという。
家族旅行では、他の旅行スタイルと比べ、「極力疲れずに過ごしたい」が高いことが特徴的。海外旅行と同様に、旅行中のストレスを軽減することを重視しているという結果に。
インタビューからも、ストレスを最小限に抑えるために念入りに準備する様子がうかがえる。
配偶者・パートナー旅では、「静かで落ち着いた観光スポットで過ごしたい」が高く、パートナーと2人だけの世界に浸りたいという意識が見えるという。また「予算に見合った体験に出会いたい」という意向は低く、予算を気にせず特別な体験を求める意識があるようだとしている。
友人旅では、「SNSや作品でみた場所を追体験したい」「日常にはない新しい刺激を取り入れたい」が高く、旅行を通じて非日常を味わいたいという意識が見えた。
<参考>
Google Japan『2023年の旅行動向』