野村不動産を代表とするグループは、中野区とともに推進する「中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業」について、中野区から都市計画決定の告示を受けたと発表した。

中野サンプラザ跡地、多様な都市機能備えた複合施設に

同事業は、中野駅周辺の各地区で進められている合計11ものまちづくり事業のうち、中野サンプラザや中野区役所の敷地を含む2ヘクタールを超える大規模な敷地において、同エリアの象徴的な存在である中野サンプラザの機能を再整備し、ホール・オフィス・住宅・商業・ホテルなどで構成される複合施設を開発する事業。

昼間人口、夜間人口、交流人口のバランスを鑑みた用途構成とすることで、地域活力の向上に寄与するという。昼間人口の増加に寄与するオフィス、夜間人口の増加に寄与する住宅、交流人口の増加に寄与する商業・ホテル・ホールやエリアマネジメント施設を配置するとのことだ。

具体的には、交流人口の増加に寄与するための施設として、2023年7月2日に閉館した中野サンプラザのDNAの継承・発展のため、新たに最大7,000人規模の「多目的ホール」を整備。

また、ハレの日使いもできる展望レストランや東京西郊、唯一無二の眺望を楽しむことができる屋外テラスを有する「展望施設」、区民や企業などの交流・会合の場として利用できる「バンケット・コンベンションセンター」を導入するという。

そのほか、子育て世代が安心・安全に利用できる「子どもの屋内遊び場」なども整備し、複合型子育て支援機能の導入を図るとのことだ。

地域の持続可能性を高める多様な都市機能

さらに、中野駅から周辺地区へのアクセス動線となる歩行者デッキや、地上と歩行者デッキをつなぐ立体的なアトリウム空間を整備し、中野駅周辺の各地区とバリアフリーでつながる立体的な歩行者ネットワークの形成を図るという。

また、建物内の施設と一体的な利用が可能な広場空間の整備により、地域のにぎわいと交流の場を創出するほか、災害時にも避難場所として活用できるよう整備するとのことだ。

中野駅周辺の回遊性を高める立体的な歩行者ネットワークと広場

今後も事業者が立ち上げるエリアマネジメント協議会が事務局となり、中野独自の多様な文化と地元の声を活かして、地域の活性化につながる様々な活動を展開。竣工後は、エリアマネジメント施設と屋上広場の一体的な運用を図り、文化・地域交流を促進することを目指すとしている。

■これまでの経過と今後のスケジュール
2021年5月:中野区と事業者にて基本協定書締結
2023年7月:中野サンプラザ閉館
2023年11月:都市計画決定
2024年度:施行認可、権利変換計画認可、建物解体(予定)

■計画概要
事業の名称:中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業
施行地区:中野区中野4丁目2-47他
施行区域面積:約23,456㎡(7,096坪)
延べ面積:約298,000㎡
建築物の高さ:約262m
主要用途:ホール、オフィス、住宅、商業、ホテル
事業手法:土地区画整理事業(約52,000㎡)と第一種市街地再開発事業(個人施行)の一体的施行を予定
施行予定者:野村不動産、東急不動産、住友商事、ヒューリック、東日本旅客鉄道
特定業務代行者:清水建設