キャリアや就職・転職に特化した匿名相談サービス「JobQ」を開発・運営するライボの調査機関「Job総研」は、社会人の男女1,216人を対象に「2023年 誹謗中傷の意識調査」を実施し、その結果を公表した。

■全体の約8割が誹謗中傷に気を付けている一方、匿名では誹謗中傷の制御が困難と回答

同調査で、誹謗中傷に気をつけているかを聞くと、「とても気をつけている」が26.8%、「気をつけている」が31.4%、「どちらかといえば気をつけている」が18.3%と、「気をつけている派」が76.5%を占める結果に。

また、誹謗中傷の制御が匿名では困難かを聞くと、困難だと「思う」が75.3%と過半数を占めた。

誹謗中傷に気をつけているか/誹謗中傷の制御が匿名では困難か

■4割以上の人が誹謗中傷になる行動をしたことがある

SNSでの誹謗中傷だと思うレベル(※)を聞くと、「レベル1:批判に対して受け手の存在を考えずに何気なく反応」が32.6%で最多に。

また、SNSで誹謗中傷になる行動をしたことがあるかを聞くと、「とても思う」が10.4%、「思う」が10.1%、「どちらかといえば思う」が20.1%と、「したことがあると思う派」が40.6%という結果に。

SNSでの誹謗中傷だと思うレベル/SNSで誹謗中傷になる行動をしたことがあるか

■誹謗中傷した経験について仕事のストレスが関係していた人は半数以上

SNSでの誹謗中傷をしたと思うと回答した494人に、その理由を聞くと「憂さ晴らし」が19.8%で最多となり、次いで「匿名性による罪悪感の希薄」が19.2%、「集団(2名以上)による罪悪感の希薄」が18.4%という結果に。

さらに、同回答者に誹謗中傷したことと仕事のストレスの関係を聞くと、「とても関係していた」が17.4%、「関係していた」が19.2%、「どちらかといえば関係していた」が15.8%と、「関係していた派」が52.4%と過半数を占めることが明らかになった。

SNSでの誹謗中傷をした理由/誹謗中傷したことと仕事のストレスの関係

■4割以上の人がSNSで誹謗中傷を受けたことがある

SNSで誹謗中傷を受けた経験の有無を聞いたところ、「ある派」は40.7%となり、その内訳は「とてもある」9.6%、「ある」13.7%、「どちらかといえばある」17.4%。

また、SNSでの誹謗中傷を受けたことがあると回答した495人にそのレベル(※)を聞くと、「レベル2:発信に対し単発でネガティブな反応」が30.5%で最多に。

SNSで誹謗中傷を受けた経験があるか/SNSで受けた誹謗中傷のレベル

■7割の人が誹謗中傷は意識的に改善可能、誹謗中傷が起きやすいと環境は半数以上が「匿名」と回答

誹謗中傷は意識的に改善可能だと思うかを聞くと、「とてもそう思う」が18.2%、「そう思う」が26.1%、「どちらかといえばそう思う」が25.7%と、「そう思う派」が70.0%と過半数を占める結果に。

誹謗中傷が起きやすいと思う環境を聞くと、「匿名環境」が50.4%で最多となり、次いで「政治・性・人種・宗教に関連する環境」が35.4%、「有名人のアカウント内」が26.3%。

誹謗中傷は意識的に改善可能だと思うか/誹謗中傷が起きやすいと思う環境

■誹謗中傷の改善条件は「デジタルリテラシーの向上」や「ルールや規制の強化」、「匿名性の制限」

誹謗中傷は意識的に改善できると回答した850人にその条件を聞くと、「デジタルリテラシーの向上」が48.9%で最多となり、次いで「ルールや規制の強化」が44.1%、「匿名性の制限」が41.2%という結果に。

また、改善できないと回答した366人にその理由を聞くと、最多の回答は「人間性の問題だから」が41.4%、次いで「罪の意識が根付いていないから」が38.7%、「匿名だから」が38.4%となった。

誹謗中傷を改善するための条件/誹謗中傷が改善できないと思う理由

【調査概要】
調査対象者:JobQ Town(ジョブキュータウン)に登録する、現在職を持つすべての社会人
調査条件:全国/男女/20~50代
有効回答数:1,216人(男性6/女性4)
調査期間: 10月18日~23日
調査方法:インターネット調査

※ SNSでの誹謗中傷だと思うレベル
レベル1:批判(発信)に対して受け手の存在を特に考えずに何気なく反応
レベル2:批判(発信)に対して単発でネガティブな反応
レベル3:批判(発信)に対して複数回(連続的に)ネガティブな反応
レベル4:誹謗中傷と認識して単発で個人を攻撃
レベル5:誹謗中傷と認識して複数回(連続的に)個人を攻撃

<参考>
Job総研「2023年 誹謗中傷の意識調査」