JR東日本は、2024年春に上越新幹線の終電繰り上げを実施すると発表した。

JR東日本は新幹線の安全かつ安定した運行のため、設備のメンテナンスを継続的に実施。開業後40年以上が経過した東北・上越新幹線は、今後設備のリニューアル工事が必要な状況にあるという。

一方で、生産年齢人口の減少に伴い、工事の担い手の確保が厳しさが増加。さらに2024年には建設業における働き方改革のための法的規制も始まる中で、昨年一昨年と福島県沖地震が発生。復旧に時間を要したことから、新幹線を地震から守るための対策工事も拡大して実施しているという。

JR東日本は、通常のメンテナンスに加えリニューアル工事や地震対策工事の着実な推進に向け、少人数で工事ができる大型機械の導入を進め、また夜間工事の作業時間を拡大するため、2024年春に上越新幹線の終電繰り上げを実施するとのことだ。

■工事推進のための対応

(1)大型機械のさらなる導入
少人数で多くの工事ができるように技術開発を推進。大型機械を用いた工事方法への転換に取り組み、この10年間で大型機械は25%増加しているが、さらに増加させていくとしている。

大型機械のさらなる導入へ

(2)上越新幹線における終電時刻の繰り上げ
在来線では2021年3月に実施した終電時刻の繰り上げにより、施工効率の向上や労力軽減につながり、例えばTC型省力化軌道工事では1割程度の施工効率の向上となったという。

今回、2024年春から上越新幹線の終電時刻を繰り上げ、作業時間を拡大することで鉄道工事における働き方改革を実現しながら、増加するリニューアル工事や地震対策工事を着実に実施していくとのことだ。

【詳細】
・終電から初電までの作業時間が短い上越新幹線において、20分程度、終電時刻を繰り上げ。一部、接続する在来線の利便性を確保できるよう検討。
・ダイヤ見直しの実施時期は2024年春を予定。内容については決まり次第発表。
・東北・北陸新幹線における作業時間拡大については、今後の状況を見極め、引き続き検討。