花粉症患者の約半数がドライアイを併発 ペットの飼育・6時間未満の睡眠・低BMIなどが併発リスク因子であることを解明

花粉症

順天堂大学大学院医学研究科眼科学の猪俣武範准教授らの研究グループは、ドライアイと花粉症の併発による症状と、ドライアイと花粉症が併発するリスク因子を解明したことを発表した。

同研究では、2018年2月より公開している花粉症研究用スマートフォンアプリケーション「アレルサーチ」を用いて収集した包括的な花粉症関連健康ビッグデータを解析したという。

「アレルサーチ」の画面

同研究から、9,041人の花粉症患者のうち、約半数である4,429人(49.99%)にドライアイ症状が認められたとのことだ。さらに、ドライアイ症状の重症化は花粉症症状の重症化ならびに生活の質(Quality of Life:以下、QOL)の低下と関連があることを示したとしている。

花粉症患者にドライアイを併発するリスク因子としては、女性・低BMI・治療中の高血圧・血液疾患・膠原病・心疾患・肝疾患・呼吸器疾患の既往・アトピー性皮膚炎・トマトアレルギー・現在および過去の精神疾患・ペットの飼育・花粉症の季節におけるコンタクトレンズ装用中断歴・現在のコンタクトレンズの装用・喫煙習慣・6時間未満の睡眠時間などが特定されたとのことだ。

花粉症は眼科以外の診療科で初診することが多い疾患であり、花粉症に対する全身的なアレルギー治療のみならず、アレルギー性結膜炎やドライアイに対する眼局所の治療を含んだ相補的な診療科連携の必要性を同調査で示したという。

ドライアイと花粉症の併発による多様な症状の層別化

■研究概要

研究対象
「アレルサーチ」を対象期間中(2018年2月1日〜2020年5月1日)にダウンロードし、オンラインで同意を得た人

対象人数
11,284名

「アレルサーチ」での収集内容
年齢・性別などの基本情報、病歴、生活習慣、住居環境、花粉症の症状、ドライアイの症状、花粉症と関連したQOL

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