TOPPANホールディングスと富士通は、次世代医療基盤法に基づく医療ビッグデータの活用を目的として、業務提携契約を締結したと発表した。
同提携により、匿名加工された電子カルテデータベースにTOPPANホールディングスが保有する分析技術と富士通が保有するデータクレンジング技術を組み合わせることで、より高精度な医療ビッグデータの分析と、研究開発や診療を支援するサービスの提供を推進するという。
また今後は、匿名加工された電子カルテデータをはじめとする、あらゆる医療・健康データの利活用を共同で進めていくとのことだ。
両社は同提携を基に、電子カルテデータに関する解析研究を共同で進め、健康寿命の延伸と持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。
具体的な提携内容は以下の通り。
■提携内容
①データ分析サービスの開発・提供
TOPPANホールディングスは、一般財団法人日本医師会医療情報管理機構(以下、J-MIMO)によって匿名加工された電子カルテデータを、医療情報分析・提供サービス「DATuM IDEA(デイタム イデア)」に導入。
その際、富士通のデータクレンジングプラットフォームを経由することで、病院ごとに異なるデータ形式の診療データを構造化するとのことだ。
これにより高精度な分析を可能にし、医薬品の安全性、有効性評価を加速し、より効果的、効率的な医薬品開発やデータベースを用いた個別化医療の実現に貢献することを目指すとしている。
富士通は、匿名加工された電子カルテデータを活用した、製薬企業、医療機関向けのSaaS型分析サービスの開発を進めるという。医薬品開発プロセスの効率化や医療の質向上への寄与を目指して、診療データ可視化やアドホック分析などのサービス開発のほか、予測や予兆などの医療AIモデルの研究開発での活用も推進するとしている。
②データ分析における電子カルテデータの増加:
両社は、医療機関およびJ-MIMOと連携し、電子カルテに格納される医療情報に加えて、退院時のサマリー、看護記録、手術記録など、これまで利活用されていなかったデータ項目を収集し、分析に活用する項目および電子カルテデータの量を増やすことを目指す。