JAXAベンチャー・ツインカプセラが、ISSからの物資回収技術を活かして開発した超高性能断熱保冷容器のβ版の有償提供を開始しました。

超高性能断熱保冷容器を手に持つ、代表取締役/CEOの宮崎さん。「BioJapan 2023」にて撮影

JAXAは2018年、宇宙ステーション補給機「こうのとり(HTV)」7号機がミッションを終えて地球の大気圏に突入する際に、ISSで実施した実験のサンプルを入れた小型の回収カプセルをこうのとりから放出し、カプセルを洋上で回収することに成功しました。

ツインカプセラは、HTV搭載小型回収カプセルの断熱保冷容器技術の社会実装を目指すJAXAベンチャーです。HTV搭載小型回収カプセルプロジェクトのメンバーとして開発に携わっていたJAXA職員の宮崎和宏さんが代表取締役/CEO、畠中龍太さんが取締役/CTOを務めています。

断熱保冷技術が活躍するのは宇宙だけではありません。ツインカプセラの断熱保冷容器は、-75℃、-20℃、-10℃、4℃、20℃、37℃など、バイオメディカル系の分野でニーズの高い温度領域をはじめ、各温度帯での約3日以上の温度維持が可能です。

高い保冷性能により可能になること Credit : ツインカプセラ

そのため、温度管理・維持が必要な検体や医薬品などを常温宅配便で保冷輸送でき、地上の輸送コストの削減も期待されます。

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参考

再突入カプセル技術活用の「小型・超高性能断熱保冷容器」 β版をリリース/BioJapan 2023に出展