川崎重工業(以下、川崎重工)と公益財団法人地球環境産業技術研究機構(以下、RITE)は、関西電力の協力を得て、同社の舞鶴発電所内に建設した固体吸収材を用いたCO2分離・回収試験設備の運転を開始すると発表した。
同試験設備は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のカーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発を推進する研究開発事業として2020年に採択を受けて建設されたパイロットスケールプラントで川崎重工が設計・建設を担当、同プラントでRITEが開発・製造した固体吸収材を循環させてCO2を分離・回収するという。
川崎重工は、今後、同試験装置で舞鶴発電所の燃焼排ガスからCO2を分離・回収する試験を本格的に実施する予定。
同試験装置で利用する固体吸収法は、従来の技術と比べて、CO2分離・回収に要するエネルギーを大幅に低減できる先進的な技術として期待されており、同試験設備は、固体吸収法で石炭火力発電所の燃焼排ガスからCO2を分離・回収するプラントとしては、国内初となるという。
同試験装置による運用性および経済性の評価等に基づき、将来の社会実装を見据えたプラントの更なる大型化や信頼性向上等を研究し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していくとのことだ。
【事業の概要】
事業名称:
先進的二酸化炭素固体吸収材の石炭燃焼排ガス適用性研究
実施者:
・川崎重工(試験設備の設計・建設、CO₂分離回収試験等)
・RITE(固体吸収材の開発・製造、シミュレーション技術開発等)
協力者:
関西電力(試験設備の建設工事に関するマネジメント業務)
実施場所:
関西電力 舞鶴発電所(住所:京都府舞鶴市字千歳560番地5)