産業・社会インフラのメンテナンスやエンジニアリングサービスを提供するマイスターエンジニアリングは、「超重要インフラ」を支えるメンテナンス技術者について、技術者の求職状況や就業実態について調査し、その結果を公表した。
「超重要インフラ」とは、国民生活や経済活動の基盤となるインフラのうち、他で代替することが困難であり、機能が停止もしくは低下すると社会に大きな混乱を招くと見込まれるもの。日本政府は、情報通信、金融、航空、空港、鉄道、電力、ガス、政府・行政サービス、医療、水道、物流、化学、クレジット、石油の14分野を重要インフラとして位置付けている。
■メンテナンス技術職の現従事者のうち4人に3人が就業内容に対して満足している
同調査で、メンテナンス技術職の現従事者(以下、現従事者)に就業満足度について聞いてみると、「大変満足している」「満足している」「少し満足している」と回答した人が79%にのぼる結果に。
■就業満足度が高い一方で、技術・エンジニア職への就業を検討している学生・転職活動者でメンテナンス技術職を志望する層は約1割に留まる
技術・エンジニア職への就業を検討している学生・転職活動者(以下、求職者)に対し、志望している職種を聞いたところ、理系学生が46%、文系学生が70%、第二新卒転職活動者が56%と、いずれも「ITエンジニア職」を志望する人が多いことが明らかになった。
一方、前問で就業満足度が高かったメンテナンス技術職を志望する人は、理系学生が10%、文系学生が11%・第二新卒転職活動者が11%という結果に。
■求職者の約8割が「メンテナンス技術者」を認知しているものの、うち約半数は検討実績がない
求職者に対しメンテナンス技術職の検討状況について調査したところ、「職種の存在は知っているが、選択して検討したことは全くない」が44%で最多の回答に。
■前問の要因の一つとして、メンテナンス技術者としての技能習得に関して“従事者の感じる実態以上に”難しいイメージを求職者層が抱いていることが挙げられる
メンテナンス技術職として身に着ける技能についてのイメージを聞いたところ、36%の求職者が「就業前の専門知識習得や経験が必須であり、習得が難しい」と回答した。一方、同回答に対し現従事者は25%に留まり、求職者のイメージと現実との間にギャップが存在していることが明らかになった。
■求職者は「イレギュラーな働き方」や「肉体的にハードな環境」について、現従事者の実感以上にネガティブなイメージを持つ
求職者にメンテナンス技術職の仕事や働き方などについてのイメージを聞くと、「市場価値の高い技能を身に着けることができる」が57.5%、「需要がなくならない将来性の高い仕事である」が55.2%、「社会的な意義の大きな仕事である」が55.1%といったポジティブなイメージがあるという結果に。
一方で、「炎天下での野外作業などハードな環境下での働き方が多い」が43%、「夜勤や休日出勤などイレギュラーな働き方が多い」が34%と、ネガティブなイメージもあることが明らかになった。
上記のネガティブな回答について、求職者のイメージと現従事者の実感を比較すると、それぞれ「夜勤や休日出勤などイレギュラーな働き方が多い」は16%、「炎天下での野外作業などハードな環境下での働き方は多い」は18%の差がある結果に。
【調査概要】
調査対象:
求職者904名(新卒就活学生文系286名・理系309名/転職活動者309名)
メンテナンス技術者618名
調査方法:オンライン調査
調査期間:8月28日~31日
<参考>
マイスターエンジニアリング
「2030年クライシスを迎える『超重要インフラ』メンテナンス技術者の求職状況及び就業実態調査レポート」