東日本旅客鉄道(以下、JR東日本)とジェイアール東日本物流は、新幹線を活用した高速・多量荷物輸送の今年度3回目となるトライアルを実施することを発表した。
■「はこビュン」について
「はこビュン」は、速達性・定時性に優れ、環境にも優しいという鉄道の強みを活かした、JR東日本グループが展開している荷物の輸送サービス。鉄道によって地域とモノをつなぐことで、地域の魅力発信を行い、人々の豊かなくらしづくりや社会課題の解決に向けて取り組んでいるという。
■同トライアルについて
同トライアルでは、長野県の新幹線車両基地では初めてとなる、多量輸送で約700箱の荷物輸送を実施。さらに、車両基地間の荷物輸送に加え、東京駅では過去最大となる約200箱の荷下ろしを行うとともに、一部荷物は東北エリアへ輸送するとのことだ。
【トライアル概要】
実施日:9月28日
輸送列車:北陸新幹線臨時列車(12両編成)
輸送区間:長野新幹線車両センター 9:57発
東京駅11:44着/11:56発→東京新幹線車両センター12:08着
東京駅12:12発→仙台駅14:30着(やまびこ209号)
荷物搭載:(長野~東京〉1・2・7~9号車(計5両)〈東京~仙台〉車内販売準備室
輸送商品:青果、食品、医療用医薬品、精密機器等約700箱
【同トライアルにおける実証項目】
(1)長野県の新幹線車両基地での荷扱い(荷物搬出入、積み下ろし、荷捌き)の検証
車両基地を使用することで、従来の駅ホームでの作業に比べ、スペースと時間を十分に確保し、多量輸送を実現。
(2)東京駅での安全に配慮した効率的な荷扱いおよび載せ替え輸送のオペレーション等の検証
同トライアルでは東京駅にて約200箱の荷下ろしを予定。客室輸送専用台車等を活用し、ホーム上の安全に配慮した効率的な荷扱いを確認する。さらに、東北新幹線を活用した載せ替え輸送も行い、それに伴うオペレーション等を検証する。
(3)東京の新幹線車両基地でのAGV(無人搬送車)の活用による荷扱い業務の省力化検証
AGVを活用することで、人手不足を考慮した省力化を図る。
JR東日本は、引き続き新幹線輸送の特性を生かした精密機器輸送等にも着実に取り組み、地方と都心、空港をスピーディにつなぐとしている。また、今回を含め2023年度中に実施した複数回のトライアルで得た知見を基に、次年度以降の事業化に向けて取り組むとのことだ。