婚活事業を複合展開するIBJは、婚活中の男女1,682人に「家事・育児」の意識調査を実施し、結果を公表した。
■“男性の育児休業取得”の希望は男女間でズレが生じている
男性の育児休業取得について、どのように考えているか聞いたところ、男性は半数以上の53.5%が「取りたい」と回答し、「取りたいが職場環境的に難しい」は36.7%で4割弱を占める結果に。
全体を通して育児休業を取得したいと考えている男性は9割弱と多い結果となっている。
一方で女性は「相手に任せる」が49.3%で最多となり、「取ってほしい」と回答する人は37.4%で4割弱という結果となった。
年代別に比較すると、男性は年齢が上がるに連れて、「取りたい」と考える人の割合が低く、「取りたいが職場環境的に難しい」という回答も40代以降になると4割で推移していることから、男性は職場環境が育児休業取得に影響していると同社は考察している。
実際に、厚生労働省が行った「令和5年度男性の育児休業等取得率の公表状況調査(速報値)」では、男性の育児休業取得率向上の取組による効果として挙げられたものの中で「職場風土の改善(56.0%)」が最多という結果になったという。
女性においては、どの年代においても「相手に任せる」が最多となり、男性の育児休業取得が肯定的になる一方で、夫に育児休業を望む場合であっても“確実に取れる”という保証はないため、無理をさせたくないという心情が働いているのかもしれないと同社は考察。
■育児への積極性を望む一方で「自分が多めに行う」が最多となる女性
婚活中、相手の「育児への積極性」を重視するかと聞くと、男女共に8割以上が重視しているということがわかった。
男女別で「理想の育児分担」について調査をすると、男性は「ともに5割ずつ」が64.0%で最多であるのに対し、女性は「自分が多めに行う」が47.6%で最多に。
同社は、85.0%の女性は“相手の育児への積極性”を重視しているにも関わらず、理想の育児分担においては、「ともに5割ずつ」が46.0%と半数を超えないのは、「家事・育児=女性の役割」という“性別役割分業認識”が根付いている可能性もありそうだとしている。
■男女共に理想の家事分担は“ともに5割ずつ”
婚活中、相手の「家事への積極性」を重視するかと聞くと、男性は7割、女性は8割のが重視していることが判明。男性は“相手の育児への積極性”と比べると、重視している人が「11.6ポイント」低く、育児よりも家事の方が相手に求める条件としてハードルが低い様子がうかがえる。
また、「理想の家事分担」については、男女共に「ともに5割ずつ」が最多に。男性は女性よりも「12.1ポイント」高くなった。
女性は「自分が多めに行う」との回答が4割と2番目に多い結果となったが、育児分担よりも「ともに5割ずつ」と考えている人が多いことから、夫婦共働きで家事も半分ずつというスタイルが令和時代の“夫婦”として徐々に定着していくのかもしれないと同社は考察している。
■男女間賃金格差が「理想の家計負担」に及ぼす影響
“家事・育児”の分担については“5割ずつ”という回答が多くなる中で、「理想の家計負担」について調査すると、男性は「自分が多めに支払う」が45.4%、女性は「相手が多めに支払う」が51.8%で最多に。
次いで、男性は「ともに5割ずつ」が39.2%が4割と家事・育児と同様に家計負担も“5割ずつ”と考える人が多いことがうかがえる結果となった。
【調査概要】
調査方法:インターネット調査
調査対象:IBJネットワークで活動する男女1,682人(男性1018人、女性664人)
調査期間:2023年7月24日~8月7日
※小数点第二位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合あり。