IHIは、北海道電力と共同で苫東厚真発電所におけるCO2の分離・回収に向けて必要な設備の規模・仕様などの検討を開始すると発表した。
同検討は、北海道電力が石油資源開発、出光興産と共同で受託した独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構（JOGMEC）の令和5年度 「先進的CCS（※）事業の実施に係る調査」に関する委託調査業務において実施する「北海道・苫小牧エリアにおけるCCS実現可能性調査」の中で、北海道電力が検討対象の一部をIHIへ再委託して取り組むもの。
同調査では、苫小牧エリアにおけるCO2の分離・回収、輸送、貯留事業の実現に必要となる地点、設備、ルートなどの検討を実施し、概算費用を今年度中に取り纏める計画となっているという。
その中でIHIは、北海道電力が所有する苫東厚真発電所から排出されるCO2を分離・回収および精製・圧送するために必要となる以下の検討等を実施していくとのことだ。
【IHIの実施内容】
（1）CO2分離回収設備および精製・圧送設備の設計と最適化検討
（2）CAPEX／OPEXの試算
（3）設備の建設に必要となる敷地面積の算出と場所の選定
（4）事業実施におけるリスク・課題の整理
IHIは同検討を通じ、苫小牧エリアにおいて2030年までのCCSの事業開始を目指す同調査に貢献するとともに、メタネーションをはじめとしたカーボンリサイクル技術や水素・アンモニアの利用技術およびサプライチェーン構築等、多様なソリューションの提供によって、2050年カーボンニュートラル社会の実現を目指していくとのことだ。
（※）CCS：Carbon dioxide Capture and Storage（CO2の回収・貯留）の略