マクニカは、「廃棄物の乾燥減量装置メルトキング🄬」の改良に関わる研究開発プロジェクトを、ダイソーとともに10月からスタートすることを発表した。
なお、同プロジェクトは、神奈川県の「令和5年度カーボンニュートラル研究開発プロジェクト推進事業」に採択されたとのことだ。
■ごみをごみでなくすという発想の転換から生まれたメルトキング
これまで、生ごみなどの廃棄物は、運搬時や処理する際に多量の燃料を使うため、CO2などの温室効果ガスを発生させる原因となっていた。
メルトキングは、廃棄物を高温で間接加熱し攪拌しながら乾燥させることにより、滅菌・減量をする装置。これにより、廃棄物の容量を1／5～1／50まで減らすことが可能になるという。乾燥したあとは、匂いも抑えられるため、肥料や飼料の原料としてそのまま利用できるほか、固形燃料にすることで再生エネルギーとしての利用もできるとしている。
■AIを使ってIoT化。メンテナンスの手間を削減
今回、神奈川県の「令和5年度カーボンニュートラル研究開発プロジェクト推進事業」にて、同社がダイソーとともに開発を進めるのは、メルトキングのIoT化とAIの実装。AIを搭載したエッジコンピューターで処理をしたデータを、クラウド上で遠隔監視することで、日々のごみ処理量やCO２削減量を可視化するという。
さらに、振動データをAIで解析し、故障の事前予知を行うことで、適切なタイミングでの保守を実現。また、無停電電源装置を組み入れ、停電時にも正常に冷却運転が完了するように改良するため、電力環境があまりよくない地域でも使用できるとのことだ。
2社は、このような改良を重ねながら、日本国内にとどまらず、アジアなどごみの処理を課題にしている国々への提供も視野に入れるとしている。