ビジネスコーチは、全国の従業員数500人以上の企業に勤める20歳以上の一般社員(役職なし・主任・係長)500人および管理職以上(課長・部長・本部長・社長)566人を対象に、“昇進・昇格”に対する男女の意識の差について調査し、その結果を公表した。

■一般社員の男性が感じる、管理職になることへの不安 1位は「リーダーシップを発揮できるか」に対し、女性が感じる不安 1位は「ワーク・ライフ・バランスを保てるか」

一般社員に、将来管理職になるとした場合の不安を聞いたところ、男性は1位が「リーダーシップを発揮できるか」で23%、2位が「責任の重さに耐えられるか」で21%、3位が同率で「ワーク・ライフ・バランスを保てるか」・「心身の健康を保てるか」で20%でという結果に。

一方、女性が感じる不安は1位が「ワーク・ライフ・バランスを保てるか」で27%、2位が「責任の重さに耐えられるか」で26%、3位が「心身の健康を保てるか」で25%であった。

管理職になることへの不安

管理職の人に「将来、社長になることへの不安」について聞くと、1位は男女ともに「責任の重さに耐えられるか」という結果に。

その他の不安要素として、男性は、「成果を出せるか」が18%、「ワーク・ライフ・バランスを保てるか」が13%、「経験が不足していないか」が10%となった。

それに対して女性は、「成果を出せるか」が30%、「ワーク・ライフ・バランスを保てるか」が21%、「経験が不足していないか」が21%と、それぞれの回答項目で7~12%も高い数値となった。

社長になることへの不安

■「社長になりたくない」と回答した人は男女ともに多いものの、女性に関しては9割を超える結果に

一般社員および管理職に社長になりたいかを聞いたところ、男性は88.0%、女性は92.3%が「なりたくない」と回答した。
男性に比べて女性の方が「社長になりたくない」と回答する人が多い結果に。

「社長になりたくない」具体的な理由として、「家事育児」に関する回答など、私生活とのバランスに対する懸念は、女性の方が多かった。

また、男女ともに「実力が伴っていない」「見合う能力がない」など、自身の「能力不足」が理由として多く挙がっていた。
男性の「社長になりたくない」理由には、「そもそも無理」といった回答も多く見られた。

社長になりたいか
社長になりたくない理由

また、一般社員のうち、「管理職になりたくない」と回答した人は男性76.7%、女性83.4%という結果に。

自由回答では、「家事育児」に関する懸念を回答した人は女性のみとなっており、上記も考慮すると、私生活への不安(時短勤務で仕事の持ち帰り、泊りを含む長時間の管理職研修等による、家事や育児への影響)が、女性は男性に比べて大きいのではないかと推察されている。

管理職・社長ともに「なりたくない」と回答した人は、男性に比べ女性の方が多いという結果となった。
また、社長就任への第一ステップでもある管理職就任に対して、「女性だからなれない」といった回答も出ており、会社の体制(女性が管理職を目指せる風土や学びの体制、自信を持てる環境等)の整備が必要になるのではないかと考えられるとのことだ。

管理職になりたいか
管理職になりたくない理由

■管理職志向・社長志向を高めることについて、男性の1位は「報酬やインセンティブ」、女性の1位は「仕事のやりがいや達成感」

一般社員に対して「管理職志向を高めることは何か」を、一般社員および管理職に対して「社長志向を高めることは何か」を聞いてみると、男女ともに「報酬やインセンティブ」・「仕事のやりがい・達成感」・「会社やメンバーとの信頼関係」が上位3つに入っているものの、その3つの順位が男女間で異なることから、志向が高まる要素が男女で異なることが明らかとなった。

男性における管理職・社長志向を高めることの1位は、「報酬やインセンティブ」で管理職志向が37.8%、社長志向は28.3%、2位は「仕事のやりがいや達成感」で管理職志向が31.1%、社長志向は22.9%、続いて「会社やメンバーとの信頼関係」で管理職志向が22.3%、社長志向は19.8%という結果に。

女性における管理職・社長志向を高めることの1位は「仕事のやりがいや達成感」で管理職志向が36.9%、社長志向は30.6%、 2位は「会社やメンバーとの信頼関係」で管理職志向が35.5%、社長志向は27.7%、続いて「報酬やインセンティブ」で管理職志向が31.3%、社長志向は22.9%となった。

自身の管理職志向を高めること
自身の社長志向を高めること

■社長職に就くとした場合の希望年収で最も多かった回答は、男性「3,000万円~4,000万円未満」、女性「2,000万円~2,500万円未満」

管理職に就くとした場合の希望年収について、男女ともに最も多かったのは「1,000万円~1,500万円未満」で男性37.8%、女性33.6%、続いて「800万円~900万円未満」で男性15.2%、女性17.1%となった。

部長職に就くとした場合の希望年収については、・男女ともに「1,500万円~2,000万円未満」で男性21.7%、女性20.9%が最も多く、続いて「1,000万円~1,100万円未満」で男性16.0%、女性18.9%という結果に。

社長職に就くとした場合の希望年収について、男性の回答で最も多かった回答は「3,000万円~4,000万円未満」で23.1%、2番目に多かった希望年収は「2,000万円~2,500万円未満」で18.2%。

女性の回答では、最も多かったものが「2,000万円~2,500万円未満」で20.5%、2番目に「3,000万円~4,000万円未満」で19.4%と、男女それぞれの回答では1位と2位が逆転する結果となった。

年収がどの程度なら課長になりたいと考えるか
年収がどの程度なら部長になりたいと考えるか
年収がどの程度なら社長になりたいと考えるか

【調査概要】
調査対象:ネットエイジアリサーチのインターネットモニター会員を母集団とする、従業員数500人以上の企業に勤める20歳以上の一般社員(役職なし・主任・係長)500名および管理職以上(課長・部長・本部長・社長)566名
調査対象男女比:一般職 男性283人・女性217人、管理職以上 男性709人・女性357人
有効回答数:1,066サンプル
調査地域:全国
調査期間:5月29日~6月4日
調査機関:ネットエイジア
調査方法:インターネット調査
各役職における希望年収の回答者内訳:
「課長職」の希望年収を一般社員(男性283人、女性217人、計500人)
「部長職」の希望年収を一般社員および課長職(男性650人、女性345人、計923人)
「社長職」の希望年収を一般社員および管理職(男性650人、女性350人、計1,000人)

<参考>
ビジネスコーチ「昇進・昇格に関する社員意識調査2023(男女比較版)