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神経・精神疾患領域における治療薬の開発と商業化を推進するアキュリスファーマは、小中高校の教員と保護者を対象に、子どもの居眠りと睡眠に関する意識調査を実施し、その結果を公表した。
■79.2%の教員が、居眠りしている子どもがいると回答。
担当している児童生徒の中に授業中に居眠りしている子どもが「いる」と回答した学校教員は、「よくいる」「たまにいる」合わせて79.2%を占めた。高校では88.5%、小学校でも65.5%となっており、早い段階から居眠りをしている子どもが多くいることが分かった。
1クラスで居眠りをしている子どもの割合について教員の印象をたずねると、小中高全体では「1割未満」が74.9%、「約1割」が17.2%となったとのことだ。
■学校で居眠りしている子どもは、落ち着きがない(多動)、友達をたたく・暴言(衝動行動)や、昼夜逆転、学校に行きたくないと言う不登校意向の割合が3倍以上高い傾向。
最近1か月の学校での子どもの様子について、学校での居眠りを指摘されると回答した保護者は7.5%いたという。(「非常にあてはまる」「あてはまる」「どちらかというと当てはまる」の合計)
これらの居眠りを指摘された子どもと指摘されてない子どもを比較すると、日中の行動や情緒の安定、登校や学習態度などに差があることが分かった。
■教員も保護者も、子どもの日中の居眠りの理由として「テレビやスマートフォン・タブレット、ゲームなどで夜更かししている」を上げる人が最多。
子どもが日中に居眠りする理由として想定されるものトップは、教員・保護者共に「テレビやスマートフォン・タブレット、ゲームなどで夜更かししている」で共通しているが、次に多い理由は、教員が「授業に対する関心や意欲が低い」で55.4%、保護者が「勉強や宿題で寝るのが遅くなる」で31.0%と、双方の認識に差が見られた。
■居眠りしている生徒・児童への対処として保護者に何らかの形で伝えている教員は約4割。
授業中に居眠りをしてしまう生徒への対処として教員が行っているのは「その都度、本人に注意する」が75.2%で最多、次いで「子どもと面談」が38.1%となった。
「保護者に伝えて注意を促す」は31.2%、「保護者と面談を持つ」は21.1%で、そのいずれかによって保護者に伝えている教員は39.8%になっており、子どもの居眠りについて保護者に伝わっていないケースも多いことが示唆されるとしている。
■子どもの居眠りを指摘された保護者の約4割は、改善のために何も家庭で対策を講じていない。
学校に子どもの居眠りを指摘された家庭で行ったことを質問したところ、最も多かったのは「特に何もしなかった」の38.9%、次いで「子どもと話し合った」の36.7%。特に小学校の保護者では「特に何もしなかった」が46.2%と半数近くを占める結果に。
■家庭での何らかの対処によって、子どもの学校での居眠りがなくなったのは約2割にとどまる。
一方、何らかの対処を行った結果では、「改善して、今はほとんど学校での居眠りはない」が21.8%、「一時は改善したが、また以前の状態に戻ってしまった」が54.5%、「何も改善しなかった」が23.6%となっており、持続的に改善することの難しさが浮き彫りとなった。
■不眠症以外の睡眠関連疾患の認知度は総じて低く、10代に好発する睡眠関連疾患でも同様。
睡眠の問題の原因になりうる睡眠関連疾患の認知度は、不眠症以外では、教員、保護者ともに総じて低く、10代で好発するナルコレプシーについても、「聞いたこともない」が教員53.7%、保護者68.1%に上った。
■子どもの睡眠の問題を抱える保護者が相談すべき相手として、教員トップは「担任教員」が最多の回答であったのに対し、保護者トップは「病院の小児科」、次にトップとほぼ同割合で「わからない」と回答。
子どもの睡眠の問題を抱える保護者が相談すべき相手を尋ねたところ、教員へのアンケートで一番高い数字となったのは55.1%の「担任教諭」。
一方、保護者へのアンケートで一番高い数字となったのは35.5%の「病院の小児科」で、ほぼ同数の33.6%が「わからない」と回答しており、明確な回答を持ち得ていない保護者の実情がうかがえる結果に。
「担任教諭」を相談先に上げた保護者は17.2%であり、教員と保護者で「担任教諭」の役割について認識の差が見られた。
■「睡眠教育」へのニーズは高い。
最後に、睡眠教育について説明したうえで睡眠教育が必要と思うかを尋ねたところ、教員は「非常に必要と思う」「どちらかと言えば必要と思う」で合わせて85.3%、保護者は「非常に必要と思う」「どちらかと言えば必要と思う」で合わせて71.7%が必要と回答。
いずれも必要と思う人の割合が高い数字となっており、子どもにとっての睡眠の重要性を感じていることが明らかとなった。
【調査概要】
調査時期:2023年8月2日~8月7日
調査対象:小学校、中学校、高校の教員各600名の計1,800名、小学校1年生から高校3年生までの各学年の保護者100名の計1,200名
<参考>
アキュリスファーマ『子どもの居眠りと睡眠に関する意識調査』