東欧の高度IT人材向けの移住・就職プログラム「Hello, Yaponiya」の運営を手がけるPeople Cloudは、「Hello, Yaponiya」第1期に応募した東欧の高度IT人材に関するデータを公開した。

、「Hello, Yaponiya」第1期に応募した東欧の高度IT人材に関するデータを公開

「Hello, Yaponiya」は、東欧などの地域から、数学・物理・情報科学などの理数系高等教育を受け、日本企業で働きたいという意思をもった高度IT人材向けの日本移住・就職プログラム。

2023年6月〜7月にかけての3週間で、東欧の高度IT人材を対象に第1期生を募集した結果、前回のテストバッチの応募総数から約4割増の18か国287名の高度IT人材から応募があったという。

このうち、エンジニアとしての経験のある人材は266名(17か国)で、今回は266人のエンジニアのみのデータを報告している。

◼️エンジニアのレベル

Hello, Yaponiyaでは、エンジニアのレベルを「ジュニア」「ミドル」「シニア」の3種類に分けているという。ジュニアエンジニアは、上長の指導を受けながらコードを書けるレベルの人材を指し、ミドルエンジニアは、業務歴3〜4年のエンジニアで特に指導なく自分でコードを書くことができ、また、アプリ設計やビジネスロジックうなどに関する知識のある人材を指す。

またシニアエンジニアは、業務歴5年以上のエンジニアで、自分で十分にコードを書くことでき、且つ、開発経験も豊富で、アプリの設計やビジネスロジックなどを深く理解している人材を指している。

第1期に応募があったエンジニアは、「ジュニア」が44.4%、「ミドル」が29.3%、「シニア」が26.3%となり、アプリ設計やビジネスロジックなどに関する知識のある「ミドル・シニア」層は合わせて55.6%となった。

エンジニアのレベル

◼️エンジニアが得意とする開発言語

エンジニアが得意とする開発言語は「JavaSvript」が44.4%で最も多く、次いで「Python」19.9%、「Java」10.2%と続く。日本でも需要の高い開発言語を得意とするエンジニアが多くなった。

Hello, Yaponiya第1期に応募したエンジニアの得意とする開発言語

◼️専門分野

「フロントエンド」が29.7%と最も多く、次いで「フルスタック」18.8%、「バックエンド」17.7%、「データサイエンス/ML」10.9%と並ぶ。

Hello, Yaponiya第1期に応募したエンジニアの専門分野

◼️最終学歴

最多は「Bachelor(学士)」で57.9%。「Master(修士)」19.9%、「PhD(博士)」0.8%という結果を踏まえ、2割以上のエンジニアが、数学・物理・情報工学などの分野での修士号または博士号を持っている人材であることが伺える。

また、「Currently Studying(高等教育機関に在学中)」の人材も6.0%おり、新卒としての就職活動で日本企業の面接にも挑戦してみたいという学生の存在が明らかに。

Hello, Yaponiya第1期に応募したエンジニアの最終学歴

◼️月収

「$1000-2000(15万〜29万円相当)」の月収を受け取っている人材は32.0%と最も多く、次いで「$2000-3000(29万〜44万円相当)」と「less than $1000(15万円相当以下)」がどちらも22.6%で同率となり、次いで「$3000-4000(44万〜58万円相当)」が10.5%となった。

「$4000-5000(58万〜73万円相当)」や「$5000-6000(73万〜87万円相当)」と回答したのは全体の約1割で、同社は日本企業にとってリーズナブルに優秀な人材を採用できるチャンスと言えると考察。

Hello, Yaponiya第1期に応募したエンジニアの月収(ドル)

◼️語学力

応募したエンジニアのうち日本語によるコミュニケーションが可能な人材の割合は約3割となり、入門レベルとされる「Elementary(N5)」保持者は全体の17.7%で日本語学習者の中では最多。

次いで、日常会話をある程度理解できるとされる「Upper-intermediate(N3)」保持者が5.6%、身近な話題の文章の読解やゆっくりとした日本語が聞き取れるレベルとされる「Pre-intermediate(N4)」保持者は5.3%という結果に。

新聞や雑誌などの幅広い場面で使われる日本語を理解できるレベルとされる「Advanced(N2)」を持っているのは全体の1.5%となっている。

Hello, Yaponiya第1期に応募したエンジニアの語学力(日本語)

また、応募したエンジニアの約8割が英語によるコミュニケーションが可能だという。

馴染みのある話題に関して話し合うのに十分なレベル「Intermediate(B1)」が25.2%、国際的な職場で問題なく業務をこなせるレベル「Upper-Intermediate(B2)」が36.1%、英語圏で完全に自立できるレベル「Advanced(C1)」が19.9%、ネイティブレベルとされる最上級の「Mastery(C2)」が4.5%という結果となった。

<参考>
People Cloud『「Hello, Yaponiya」第1期に応募した東欧の高度IT人材に関するデータ