三菱重工業と日本触媒は、水素・アンモニアサプライチェーンの導入と大量輸送の本格化を見据え、アンモニア分解システムの共同開発契約を締結したことを発表した。
アンモニアは、燃焼してもCO2を排出しないゼロエミッション燃料である水素を安全かつ大量に長距離輸送・貯蔵することが可能な水素キャリアの1つとして注目されている。
日本の「燃料アンモニアサプライチェーンの構築」プロジェクトをはじめ、欧州などの国内外においてサプライチェーン構築が計画されており、今後の市場の伸長が期待されているという。
アンモニア分解技術はアンモニアから水素を取り出すために不可欠であり、サプライチェーン構築の実現において重要な役割を担う。
アンモニア熱分解触媒を用いた最適なシステムの共同開発に当たり、三菱重工は、アンモニア製造プラントをはじめとした国内外における多数の化学プラント納入実績やこれまで培ってきたアンモニアや水素のハンドリング技術に関する深い知見を生かすとしている。
また、日本触媒は、アクリル酸触媒をはじめとするプロセス触媒や自動車触媒、排ガス触媒などの環境触媒を多数開発・実用化してきた触媒技術の実績と知見を生かすという。
同分解システムから取り出された水素は、クリーンな原料・燃料として使用することが可能で、早期実用化を目指し開発を推進していくとのことだ。