慶應義塾の研究グループは、皮膚の表皮細胞が温かいと感じる温度感覚を生み出していることを発見したと発表した。
同研究グループには、自然科学研究機構 生理学研究所(生命創成探究センター)の富永真琴教授、LEI Jing NIPSリサーチフェロー、佐賀大学の城戸瑞穂教授、慶應義塾大学医学部皮膚科学教室の天谷雅行教授、東京工科大学の松井 毅教授らが参加している。
この研究により、皮膚の表皮細胞にあるTRPV3(トリップヴイスリー)が温かい温度を感知して温度依存性行動につなげていることが明らかとなった。
これまで皮膚の表皮細胞が温度を感じるかどうかについては議論が分かれていたが、今回の研究により、皮膚の表皮細胞が温度感知に関係していることが確認された。
また、別のタンパク質であるTMEM79がTRPV3によって生じる電流に影響を与えることも発見された。これらの発見は、皮膚の表皮細胞が温度感覚を生み出すメカニズムについて新たな理解をもたらすものであるという。
同研究結果はNature Communications誌に掲載。