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ロッテとテックドクターは、2023年7月より、ロッテ社員および社員の同居家族を中心に、PMS定量指標の構築を目指した研究をスタートすると発表した。
PMSとは、女性の生理開始3~10日前にイライラ、頭痛、むくみなどの精神的・身体的症状が現れること。
同研究を足掛かりとしてロッテでは、PMSに悩む女性の身体でどのようなことが起こっているのかを科学的に解明し、それらの知見をフェムテック分野での商品・サービスの開発に繋げることで、女性に寄り添う企業を目指した活動を進めていくとのことだ。
■取り組みの背景と目的
ロッテが実施したアンケートによると、89.9%もの女性が生理開始3~10日前に何らかの精神的・身体的症状を抱えていることが明らかとなった。
更に生理前の不調について、症状は「頭痛や腹痛など体の痛み」「イライラ・泣きたくなるなど情緒不安定になる」「食欲が増えたり甘いものが欲しくなったりする」など多岐に渡り、また感じている症状の強さも「何となく感じるが気にならない程度」の人から「月経前は必ず生活や仕事に支障が出る程度」の人まで多様な回答が寄せられた。
「PMS」と一括りにされている症状の中でも、女性個人によって悩んでいる症状の種類や強さが異なることが、この分野の課題解決を難しくしていると考えられるという。
PMSに悩む女性の課題解決のためには、その多種多様な症状を個別に理解していくことが求められる。そこでロッテとテックドクターでは、どのような症状の時にどのような生体指標が動くのかを明らかにすることを目標に研究を実施し、女性が抱える悩みの解決を目指して取り組んでいくとしている。
またロッテ社員を含む同研究参加者は、ウェアラブルデバイスの装着により毎日の運動量や睡眠データを閲覧することが可能。参加者が自分の身体状態を可視化することで、健康管理に役立てられるような取り組みを目指すとしている。
■同研究の概要
PMSは、毎月現れる症状が生活や労働に与える負担の大きさから早期解決が望まれている分野であるが、メカニズムに関して未解明な部分が多く残っているという。
今回の研究では、主観アンケートのスコアと、ウェアラブルデバイスを用いて連続的に取得された生体指標の間に相関を見出すことを目的としており、またウェアラブルデバイスを用いたヴァーチャル臨床試験方式で行うため、遠隔地に住んでいる人であっても施設来訪することなく試験に参加することが可能とのことだ。
【対象】
ロッテの社員および社員の同居している家族のうち、希望者中心の18–60歳の女性
【方法】
Fitibit(スマートウォッチ)などのウェアラブルデバイスを約3か月間装着し、同時にPMSの症状をスコア化する主観アンケートに回答。
【評価】
PMSの症状の重い人のデータと軽い人のデータを比較することで、PMS症状の主観評価と生体指標に相関が見られないか探索し、症状の定量化を目指す。
■今後に向けて
同取り組みをはじめとしてロッテでは、「女性の抱える悩みを科学的に明らかにする」「女性に寄り添う商品やサービスの開発」の両輪で、女性が健康に活躍できる社会の推進に向けた活動を進めていくとしている。