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テックタッチは、同社が提供するデジタルガイド「テックタッチ」が、兵庫県神戸市の公式ホームぺージに採用されたと発表した。
同社では、Webシステム画面上でデジタルガイドを作成・表示する「テックタッチ」を提供している。「テックタッチ」を自治体ホームページに実装すると、ホームページの画面上に操作メニューや入力案内を表示できる。
市民が神戸市ホームページを利用する際に、多数の情報の中から各利用者が必要な情報を自身で探しやすくなる。また、運営する神戸市にとっては、利用者がWeb上で自己解決することにより、電話や来訪による問い合わせや窓口業務の効率化に繋がるとのことだ。
■導入の背景
近年、自治体でのDXの取り組みが加速している。コロナ禍以降、各自治体が運営する公式ホームページは、住民にとっての重要な接点になるため、ホームページでの情報発信力や対応力の強化は重要となっている。
しかし、ホームページは階層が深かったり情報量が多いため、市民が知りたい情報にたどり着けず、ホームページ内で工夫されているQ&A(よくある質問と回答集)や便利機能に辿り着けずにページから離脱したり、疑問解消のために電話問い合わせが増え、窓口業務の効率化が課題になっている自治体が増えているとのことだ。
神戸市役所では、ホームページによる情報発信に力を入れており、年間アクセス数は1.2億回にのぼる。市民向けの情報はあまねく公式ホームページに掲載されているにもかかわらず、情報量が多いため、それぞれの利用者が欲しい情報を探しきれずに電話で問い合わせる場合も多く、問い合わせの効率化が課題となっていた。
特にコロナ禍以降、ワクチン接種等に関する問合せなど、問合せ電話量は増加しており、2021年度(平成31年度)には年間約27万件/年にまで増加し、電話応答率は約86%で、約14%の電話は対応しきれずに放棄されていたという。
そのため、ホームページを訪れた市民1人1人のつまずきポイントを分析し、ホームページ上で各人に合わせた適切な案内をすることで市民の自己解決を促進し、電話問い合わせを減らせる解決策を探していたとのことだ。
問合せ電話の削減のための対応策として、FAQページの実装や、AIチャットボットの導入などで、一定数の問合せ件数を減らすことには成功。ただし、課題は依然として残っており、市民がホームページにおいて知りたい情報を取得する際に、目的の情報にたどりつくことをサポートするプロジェクトを、2022年、同市が運営する、地域・行政課題の解決を目的としたプロジェクト(Urban Innovation KOBE)内で立ち上げ。
そのプロジェクトの実施主体の企業としてテックタッチを採用し、「テックタッチ」による試行導入、実証実験を、2022年12月~2023年2月の3ヶ月間実施(参考:神戸市主催の地域課題解決プロジェクト 令和4年度「Urban Innovation KOBE」に「テックタッチ」が採択| https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000083.000048939.html)。
■導入の決め手
「テックタッチ」を利用し実証実験を行ったところ、問合せ件数の減少やFAQの認知度向上、利用を推奨している機能の活用率向上という点における効果を得ることができたため、「テックタッチ」を本格導入するにいたったという。
定量効果:問い合わせ件数40%削減(※他改善施策の効果も含む)
FAQ閲覧率2.3倍
機能活用率1.8倍
■今後の展望
ホームページの利用者がつまずきやすく、問い合わせが多いページへ「テックタッチ」の実装を進め、電話問合せの削減に繋げていくという。将来はホームページと連携している電子申請等にも拡大していき、住民サービス全体の品質向上に繋がるコミュニケーションのプラットフォームへ昇華させていくことを見込んでいるとのことだ。