「Indeed(インディード)」の日本法人であるIndeed Japan(以下、Indeed)は、5か国(日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、韓国)において、現在就業中の20~50代の正社員(無期雇用/フルタイム就業者)男女計8,848名を対象に、「転職」に関する意識調査を実施し、結果を公表した。
調査結果要約
1.【仕事観】4人中3人が「仕事よりもプライベート優先」の日本、他の4か国と仕事観に大きな差。
日本は4人中3人が「仕事よりもプライベート優先」「仕事はあくまでお金を稼ぐため」と回答し、5か国中1位。「仕事で、昇進・昇格したい」はドイツが79.7%で最も高く、アメリカ・イギリス・韓国でも7割前後である一方、日本は46.4%で最下位。
2.【勤務先への満足度】日本は「満足」している人はわずか約4割。アメリカは8割超で日本の2倍以上、他4ヵ国も7割以上が「満足」で、日本の勤務先に対する満足度の低さが浮き彫りに。
勤務先への満足度は、「満足/とても満足」が日本は41.5%にとどまるが、アメリカは85.2%と日本の2倍以上高く、イギリス79.6%、ドイツ77.3%、韓国70.2%といずれの国も日本と大きな差がある。日本の勤務先に対する満足度が顕著に低いことが明らかに。
3.【転職経験】日本の転職経験率は6割以下。イギリス・アメリカは9割以上が経験あり、日本は最下位。
日本は転職未経験者の割合が40.3%。転職経験率は、日本59.7%に対し、イギリスは92.7%、アメリカは90.1%、ドイツは84.2%、韓国は75.8%で日本は最下位。改めて日本の転職経験者の少なさが明らかとなっている。
4.【転職へのイメージ】日本は「新しいことにチャレンジできる」が1位、次いで「職場環境を変えられる」「スキルアップできる」など転職へのイメージは他4か国と共通してポジティブ。
転職へのイメージは、日本では「新しいことにチャレンジできる」(36.6%)が1位、次いで「職場環境を変えられる」(36.1%)、「自身のスキルアップや経験を積むことができる」(34.7%)と、転職に前向きなイメージを持っている人が多い。転職にポジティブなイメージを持っているのは5か国共通だという。
5.【転職したい理由・転職への期待】転職したい理由、4か国は「不満はないが、自分にとってプラスになる」に対し、日本は「職場に不満や嫌なことがある」が多い傾向。
転職したい理由・転職への期待として、日本は「現状の職場に不満や嫌なことがある」(40.9%)が転職理由になりやすい傾向。他国はいずれも「現状の仕事に大きな不満はないが、自分にとってプラスになる可能性がある」が45%以上を占める結果に。
一方、日本でも転職に前向きな期待を寄せる人は多く、3人に1人以上(34.9%)が「やりがいを感じたい」と回答。
6.【転職しない理由】日本は「転職したい会社・仕事が見つからない」、他国は「転職するほどの不満がない」が上位。アメリカは他国より「迷惑をかける」「同僚に悪い/別れたくない」の割合が高く、職場への愛着や仲間意識が強い傾向。
転職しない理由は、「安定した給料がある」が5か国共通で1位。次いで日本は「転職したい会社・仕事がみつからない」(27.8%)、アメリカ・イギリス・ドイツは「転職する程の不満がない」がそれぞれ2位。
アメリカでは「今の仕事が停滞したり迷惑をかけることが心配」「今の会社の同僚に悪い/同僚と別れたくない」も上位に入り、職場への愛着や仲間意識が見て取れる。
7.【転職時に求める給与】日本は4人中3人が「現状維持の給与でも応募」で他国よりも高い割合。給与が1割程度減少しても応募する人が4割以上おりアメリカの約1.5倍。
日本で「今の給与と概ね同程度の求人」であれば応募してもよい・したいと思える割合は74.6%。また「今の給与より1割程度低い求人」でも応募する割合は42.8%と、それぞれ5か国で最も割合が高く、転職時に給与が上がらない、もしくは減ることに対する抵抗が小さい。
8.【転職して良かったこと】日本は「プライベートの時間が取りやすい」が1位。「給与があがった」は5ヵ国共通で上位。
日本では転職経験者の8割以上が何らかの転職によるメリットを感じており、「プライベートの時間が取りやすい」(33.9%)が1位で、5か国中でも割合は最も多い。
「仕事よりプライベート優先」の日本の仕事観の表れが見て取れる。一方、5か国共通で「給与が良い/あがった」が上位となり日本では32.1%で2位、他国は34%以上の割合で1位となっている。
9.【キャリア形成に関する習慣】キャリア形成のためにかけるお金は、日本は半数以上が月に「0円」で、月収に占める割合は5か国中最下位。最もお金をかける韓国は月収に占める割合が日本の3倍。
キャリア形成のためにかける金額は、日本では1か月あたり平均7,479円で、半数以上が「0円」と回答。月収に占める割合は1.6%と5か国中最下位。
最も割合が大きかったのは韓国の4.8%で日本の3倍、日本円で換算すると平均31,946円。日本ではキャリア形成に向けた自己投資が低い傾向にあることが明らかとなった。
【調査概要】
調査主体:Indeed Japan株式会社
調査対象:日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、韓国で現在就業中の正社員(無期雇用・フルタイム就業者)20代~50代男女日本4,368名、アメリカ1,600名、イギリス・ドイツ・韓国各960名(計8,848名)
割付方法:調査対象国別に、性別×年代×居住エリアにて割付してサンプルを回収
性別:2区分(男性、女性)
年代:4区分(20代、30代、40代、50代)
居住エリア
日本:7区分(北海道、東北、関東、中部、近畿、中国・四国、九州・沖縄)
アメリカ:4区分(東部、中西部、南部、西部)
イギリス:4区分(イングランド、ウェールズ、北アイルランド、スコットランド)
ドイツ:4区分(北部、東部、西部、南部)
韓国:3区分(特別市、広域市、道)
集計:性別、年代、エリアを考慮しウェイトバック集計を各国ごとに実施
日本:国勢調査から算出した性年代×エリアごとの「正社員」の人口構成比に基づいてウェイトバック集計を実施
他4ヵ国:OECDデータから算出した各国の性別ごとの「フルタイム就業者」の人口構成比に基づいてウェイトバック集計を実施
調査方法:インターネット調査
調査期間:
日本/2023年3月8日~3月10日
アメリカ/2023年3月22日~3月31日
イギリス/2023年3月22日~4月2日
ドイツ/2023年3月23日~3月30日
韓国/2023年3月24日~3月31日
※構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合あり。
<参考>
Indeed Japan『「転職」に関する5ヵ国比較調査』