米国のドローンメーカーSkydioは、国土交通省航空局より、無人航空機の飛行「カテゴリーII」で「無人航空機の飛行に関する許可・承認」(以下、同飛行許可)を得たことを発表した。
同飛行許可の取得は、Skydioが日本国内で展開するすべてのドローン機体とその搭載ソフトウェア種類を対象とするもので、一部例外を除いた日本全国において、場所・時間を問わず運用規模を広げて、遠隔操作による目視外飛行を柔軟に行うことが可能になるとのことだ。
日本では、慢性的な人手不足により、点検業務の効率化や生産性向上の対応が急務となっている。また、保守点検業務における現場ではしばしば危険が伴い、安全かつ慎重な作業が求められているため、昨今においてはこのような課題解決策としてドローン技術が注目されているという。
Skydioは、今回の同飛行許可の取得で現場における補助者の配置の必要がなくなり、より安全かつ柔軟に遠隔操作での目視外飛行を実施することが可能になったとしている。
また、同飛行許可によって承認された安全対策を実施することで、事前に国土交通省航空局が運用する「ドローン情報基盤システム」(DIPS 2.0)で飛行計画を通報するのみとなり、飛行手続きも合理化されたとのことだ。
AIを活用した自律飛行技術を強みとするSkydioのドローンは、クラッシュリスクを最小限に抑え、360°全方位における障害物回避機能などを搭載しているため、従来のマニュアル操作のドローンでは困難、あるいは不可能だった近接距離で、あらゆる構造物の点検において安全な活用が可能だとしている。
建物、道路、発電所、自然災害後の現場など重要なインフラの点検業務においても、今後は業務員の安全を担保しながら、より迅速な遠隔対応が可能になるという。
さらに、今後は国内で展開するエンタープライズ向け製品の中でも特に、「Skydio Dock」(スカイディオ ドック)と「Skydio Remote Ops」(スカイディオ リモートオペレーションズ)が活用されることを期待しているとのことだ。
「Skydio Dock」は、過酷な屋外環境や複雑な屋内施設の環境下でも配置できるドローンポートで、操縦者一人のみで遠隔から安全なドローン飛行を実行することが可能。
また、遠隔制御ソフトウェア「Skydio Remote Ops」を利用することで、操縦者なしで完全な自律飛行を遠隔から実施することも可能としている。
Skydioは今後とも、国内におけるドローン技術を活用した業務全体の高度化・効率化・安全性向上への貢献を目指していくとのことだ。