日本メナード化粧品は、ファスマックとの共同研究で、皮膚常在菌と肌性状との関係を調査したと発表した。
すこやかな肌のpHは弱酸性(pH約4.5~6.0)といわれるが、今回の結果から、その中でもpH5.5以下の肌ではアクネ菌の割合が少なく、このことが肌あれ防止につながると考えられたとのことだ。
さらに、研究を進め、皮膚常在菌のバランスを整える最適なpHの範囲があることもわかってきたという。今後、同研究成果を肌あれ対策化粧品の開発に活かしていくとしている。
人々の肌には多くの常在菌が存在し(皮膚常在菌)、肌状態に影響を与える。同共同研究では、皮膚常在菌と肌あれとの関係を明らかにするため、皮膚常在菌叢の解析および肌あれ指標である経皮水分蒸散量(TEWL:肌あれの指標とする)を含む肌性状の測定を行い、その関係を調査。
なお、皮膚常在菌叢のバランスは微生物遺伝子を網羅的に解析できる次世代シーケンサーという技術を用いて解析したとのことだ。
その結果、顔の肌において、皮膚常在細菌叢に占めるアクネ菌の割合が少ない肌(40%以下)およびpH が低い肌(pH5.5以下)ではTEWLが低く維持されていたという。
さらに、肌のpH が低下するとアクネ菌の割合が減少することも明らかに。すこやかな肌のpHは弱酸性(pH約4.5~6.0)といわれるが、その中でもpHを5.5より低く維持することでアクネ菌が少ない皮膚常在菌バランスになり、肌あれ予防につながると考えられたとしている。
また、今回、皮膚常在菌叢に占めるアクネ菌の割合は、表皮ブドウ球菌の割合および細菌の多様性と関連していることも見出したという。さらに研究を進め、皮膚常在菌バランスを整える最適なpHの範囲があることもわかってきており、今後、肌あれを効果的に防ぐアプローチに応用していくとのことだ。
なお、同研究成果の一部は、皮膚科学分野の英文誌 International Journal of Cosmetic Science に掲載。