日本でのビジネスオートメーション利用率は未だ低い傾向に 自動化したい業務トップは「データ入力やデータセットの作成」

米UiPath(ユーアイパス)社の日本法人であるUiPathは、日本を含む8か国の労働者を対象に実施した調査「ビジネスオートメーションの活用状況と今後の展開についての調査2023年版(英語名:Global Automation Generation 2023)」の結果を発表した。

調査では、すでに職場でビジネスオートメーションを利用しているとした回答が日本では15%と、調査対象国の中で最も低いことが明らかになった(世界平均:31%、第1位:インド63%)。

今後、昨今の企業の人材不足や少子高齢化社会における作業の効率化を図り、個人の仕事満足度を上げるため、オートメーションツールの活用が求められることを示唆する結果となったとしている。

ビジネスオートメーションの利用率ランキング

■52%の労働者は効率的に業務を行うためのリソースがないと回答

総務省統計局が発表した「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果」によると、労働力人口は前年比5万人減少となっており、日本で人材不足が深刻化していることが判明している。

今回の調査では、日本の回答者の52%は効率的に業務遂行するのに必要なリソースや支援がないと回答し、このような状況を改善するリソースや支援として技術的なツール・ソフトウェア(66%)、技術的サポート(60%)に期待が集まる回答となった。

【左】効率的な業務遂行に必要なリソースや支援があると感じているか?
【右】どのようなリソースがあれば、業務を改善または向上できると考えているか?

また、「業務のどのような点を変えたいか」という質問に対しては、日本で最も多かった答えが「職場環境のさらなる柔軟性の向上」で31%となった一方、次点が「手作業の時間短縮」で26%、3番目に「日常業務の管理にかかる時間の短縮」で25%あがっている。

さらに、6位に「重要な業務に集中する時間を増やす」という回答も多く、業務効率の改善に期待する声が高まっている様子もうかがえた。

■ビジネス・オートメーション・ソリューションの導入で仕事満足度の向上目指す

ビジネスオートメーションに対しては、日本の43%の回答者が業務効率の改善に役立つと考えている。

特に、日本で自動化したい業務のトップ5を尋ねたところ、「データ入力やデータセットの作成」と回答した人が最も多く、その次に「データ分析」、「ファイル共有・ファイル保存業務」が続く結果に。

アナログからの脱却のファーストステップで困っているビジネスパーソンがいまだ多い一方、一歩進んだ分析への関心も高いと同社は考察している。

自動化したい業務トップ5

また、すでにビジネス・オートメーション・ソリューションを導入している答えた回答者(15%)からは、生産性の向上、正確な作業、ワーク・ライフ・バランスの改善などのメリットを実感しているという声があがっているという。

UiPathは、より少ない労力でより多くの作業を行うことが求められる現代において、AIを搭載したオートメーションを活用することで、作業量を可視化してワーク・ライフ・バランスを改善し、どの企業にとってもよりよい労働環境を目指していきたいとまとめた。

【調査概要】
調査名:「ビジネスオートメーションの活用状況と今後の展開についての調査 2023年版」
調査対象:日本を含む8か国(アメリカ、イギリス、オーストラリア、フランス、ドイツ、インド、シンガポール、日本)の計6,460人の従業員
実施時期:2023年3月

<参考>
UiPath『ビジネスオートメーションの活用状況と今後の展開についての調査 2023年版

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