LinkedInは、2003年に米国で創業してから2023年5月に創業20周年を迎えることを記念し、この20年間で日本のプロフェッショナルの間で仕事観がどのように変化したか、そして今後20年間に予想される変化について、日本国内の18歳から65歳の就労者約1,000人を対象に意識調査を実施し、結果を公表した。
【5割の人が、テクノロジーが進化する20年後でも「コミュニケーションスキルが必要」と回答】
これからの20年間において、AI等のテクノロジーの進化や普及によって自身の仕事に影響があるかを聞いたところ、「影響は受けない」が最も多く32.9%、「仕事が削減される」が31.7%、「新しい仕事や職種が創出される」が23.3%、「生産性が向上する」が22.3%と続いた。
また、これからの20年間で変わらないであろう仕事のTOP3は、1位「人脈を活かす仕事」40.9%、2位「コミュニケーション能力が必要な仕事」39.6%、3位「創造性を必要とする仕事」29.1%という結果に。
また必要とされるスキルTOP3は、1位「コミュニケーションスキル」49.8%、2位「リーダーシップ・人材マネジメントスキル」26.1%、3位「問題解決力」23.7%となった。
テクノロジーが進化するであろう20年後でも、コミュニケーション能力は必要とされ続けると考えられていることがわかりました。
【20年前も現在も「身につけたいスキル」第1位はコミュニケーションスキル】
ビジネスパーソンとして今、身につけたいスキルを調査したところ、1位「コミュニケーションスキル」35.3%、2位「問題解決力」21.4%、「思考力(ロジカルシンキングなど)」21.4%となった。
また、40代から60代に「20年前に身につけたいと思っていたスキル」についても聞いたところ、1位「コミュニケーションスキル」30.6%、2位「問題解決力」21.2%、3位「外国語の語学スキル」20.4%となり、現在も20年前も、身につけたいスキルの1位は「コミュニケーションスキル」という結果となった。
20年後においても最も必要なスキルとして挙げられていることから、「コミュニケーションスキル」がいかに重要視されているかがわかるとしている。
【8割以上の人が企業カルチャーの変化による競争力へのポジティブな影響を感じている】
回答者の78.4%が、20年前と比べて日本の企業カルチャーに変化を感じていることがわかった。
感じている変化TOP3としては、1位「長時間労働が当たり前だという価値観が薄れてきた」45.8%、2位「ワークライフバランスを重視されるようになった」40.4%、3位「休暇を取ることが柔軟になった」39.0%があげられ、特に生活への変化を感じていることがうかがえる。
また、企業カルチャーに変化を感じている人に、「仕事に対する価値観を含めた企業カルチャーの変化は、自身の勤め先のビジネスにどのような影響を与えていると思うか」と質問したところ、83.5%が「ポジティブな影響を与えている」と回答した。
【20年間でライフワークにおける優先順位は仕事から家庭に変化】
全年代に現在のライフワークの優先順位を聞いたところ、全体では1位「家庭」、2位「趣味」、3位「仕事」、4位「スキルアップ」となった。一方、40代から60代に20年前の優先順位を聞いたところ、すべての年代で1位は「仕事」という結果に。
特に、現在の20代は1位「家庭」、2位「趣味」、3位「仕事」、4位「スキルアップ」であるのに対し、20年前の20代(現在の40代)は1位「仕事」、2位「趣味」、3位「家庭」、4位「スキルアップ」となっており、時代の変化によって仕事と家庭の優先順位が逆転していることが判明。
【20年前と比べて、月の残業時間は11時間短縮】
月の残業時間について調査したところ、20年前が平均24.3時間に対し、現在は平均13.3時間と11時間ほど短くなっていることがわかった。
【「女性管理職の比率が少ない理由」第1位は「慣習的に、男性の方が評価されやすいから」】
女性が管理職に就いている企業に勤めている人は51.7%となった一方で、管理職における女性の比率は24.8%にとどまっていた。
また、厚生労働省が行った調査では、企業の課長級以上の管理職に占める女性の割合が2021年度は12.3%だったとされている。
女性管理職の比率がこの割合よりもさらに低い企業に勤めていると答えた人に女性管理職が少ない理由を聞いたところ、TOP3は、1位「慣習的に、男性の方が評価されやすい(女性差別がある)から」で36.8%。
次いで2位「妊娠や育児などを危惧して女性自身が昇進を望まないから」33.5%、3位「管理職は男性が担うものだと思われているから」23.6%と続いた。
この20年間で、ライフワークバランスにおいて就労者の生活が優先されるように変化し、企業にもポジティブな影響を与えている一方で、男性が優先して評価されるという慣習が根強く残っていることがわかり、女性が活躍推進について課題が示される結果となったとのことだ。
【調査概要】
2023年4月6日から同10日にかけて、日本国内の18-65歳の就労者計1,000人を対象にオンラインアンケート調査(調査機関シグナルリサーチに委託)を実施。
※性年代割付
※小数点第一位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合あり。
<参考>
LinkedIn調べ『仕事の価値観の変遷に関する意識調査』