エニトグループの下でマッチングアプリ「Omiai」を手掛けるOmiaiは、「マッチングアプリの世界事情」と題し、Omiai Report独自のマッチングアプリ年表を作成し、歴史を掘り下げながら現状のレポートを公表した。
今回は前編としてマッチングアプリの世界市場をを紐解いている。
■マッチングアプリの世界史と実態
イギリスのアプリ調査会社Business of Appsのレポートによると、マッチングアプリ(欧米ではデーティングアプリと呼ぶのが一般的)の2022年の世界市場規模は49.4億ドルに達しているという。2015年(16億ドル)から約3倍に膨らみ、世界中に3億3,700万人のユーザーがいると報告されているとのことだ。
市場拡大の背景には、効率よく条件に合う相手を探したいという傾向が世界的に強まってきたこともあるが、IT技術やAIの進化も大きな影響を与えているとしている。
1990年にアメリカでインターネットの商用サービスが解禁されると、1995年には世界初となるオンラインデーティングサイト「match.com」がサービスを開始。先進国のインターネット普及率が50%を超える2007年には、「eHarmony」「Plenty of Fish」「OK Cupid」「Badoo」などのオンラインデーティングサイトが出揃う。
アメリカで初代iPhoneが発売されると、世界はスマートフォンの時代に突入。出会いのプラットフォームがモバイル化されたことで、位置情報によってマッチングするデーティングアプリも登場。
また、2012年に登場した「Tinder」は、スマートフォンならではのスワイプ機能を使ってマッチングさせるという画期的な仕組みで爆発的に成長。
2019年には非ゲーム系アプリにおいて、動画配信サービス「Netflix」を抜いて世界消費支出ランキングの1位にまで上り詰め、APP Annieの調査によると2021年11月29日時点の累計消費支出額は44億ドルとなっている。一方で、ダイバーシティが国際的に重要視される時代を反映するように、世界のデーティングアプリ市場も多様化。
LGBTQ+コミュニティに特化した「Grindr」をはじめ、人種的マイノリティ向けのアプリや同じ信仰の人たちをマッチングさせるサービスなど、ニッチな需要に応える特化型アプリの台頭がトレンドに。
■最も盛んな国はアメリカ18歳−34歳が積極的に利用
Business of Appsが2022年に実施した調査結果を見ると、デーティングアプリの国別ダウンロード数の割合は発祥国のアメリカが18%で1位。
また、2021年の調査と比較すると、昨年2%だったインドネシアが8.8%とポイントを伸ばし3位に、トップ10圏外だったフィリピンが3.3%で6位にランクインするなど、東南アジア勢がダウンロード数を伸ばす結果となった。
昨年8位だった日本は10位で2%から0.7%へポイントを落としているが、アメリカやイギリス、ドイツやフランスなど総じて先進国の割合は減少傾向となっている。「Dating APP Report 2023」でも、東南アジアや南米諸国で普及が拡大していると指摘しているとのことだ。
デーティング利用率が最も高いのは、どの年齢層なのか、Business of Appsが2022年に実施した「ユーザーの年齢別 統計」のデータを見ると、25歳~34歳が32%と最も利用率が高く、18歳~24歳が25%で後に続いている。
アプリによって多少のバラつきはあるものの、世界の主要デーティングアプリは成人~34歳までをメインターゲットにしていることわかり、この傾向は日本においても変わりないため、世界標準と言えるとしている。
<参考>
Omiai『Omiai Report light 「マッチングアプリ婚 世界事情(前編:世界編)」』