日産自動車は、2022年度通期および第4四半期決算を発表。
2022年度財務実績
2022年度は非常に厳しいビジネス環境となったが、同社は「Nissan NEXT」の主要な取り組みを着実に実行することで事業基盤を強化してきたという。そして、各市場において継続的に販売の質と主要な新車の台当たり売上高を向上させたことにより、2022年度の収益は前年比で大きく改善したとのことだ。
一方で、長引く半導体の供給不足や中国のロックダウンに伴う部品供給の逼迫などが、生産計画と車両供給に大きな影響を与え、グローバルの販売台数は330万5千台に留まったという。
同社の財務実績は、厳しい環境下にありながらも上期の決算発表時に上方修正した見通しを上回り、2022年度通期の連結売上高は10兆6千億円、連結営業利益3,771億円、売上高営業利益率3.6%、当期純利益は2,219億円に。
また、自動車事業のフリーキャッシュフローと営業利益はそれぞれ通期で黒字となり、同事業のネットキャッシュは1兆2千億円。2022年度の期末配当は、1株当たり10円の支払いを株主総会に提案する予定であるとしている。
(東京証券取引所届出) 中国合弁会社に持分法を適用 | 2021年度通期 | 2022年度通期 | 増減(対前年) |
売上高 | 8兆4,246 億円 | 10兆5,967億円 | +2兆1,721億円 |
営業利益 | 2,473億円 | 3,771億円 | +1,298億円 |
売上高営業利益率 % | 2.9% | 3.6% | +0.7ポイント |
経常利益 | 3,061億円 | 5,154億円 | +2,093億円 |
当期純利益 | 2,155億円 | 2,219億円 | +64億円 |
中国合弁会社を比例連結した会計基準では、2022年度通期の連結営業利益は4,846億円、売上高営業利益率は4.1%となり、当期純利益は2,219億円に。
2022年度第4四半期3か月財務実績
(東京証券取引所届出) 中国合弁会社に持分法を適用 | 2021年度 第4四半期 3か月 | 2022年度 第4四半期 3か月 | 増減(対前年) |
売上高 | 2兆2,706億円 | 3兆970億円 | +8,264億円 |
営業利益 | 560億円 | 874億円 | +314億円 |
当期純利益 | 142億円 | 1,069億円 | +927億円 |
2022年度第4四半期3か月は、連結売上高3兆1千億円、連結営業利益874億円、売上高営業利益率2.8%、当期純利益1,069億円に。2021年度から継続して業績改善が進み、連結営業利益、当期純利益ともに前年比で大きく向上したとしている。
2023年度の業績見通しについて
2023年度は、先行きが不透明な地政学的リスク、物流費やエネルギー価格の上昇、世界的なインフレ圧力や景気後退への懸念などから、厳しいビジネス環境が続くと予想。
しかしながら、事業構造改革を継続することで強化された事業基盤のもと、販売の質の向上、適切な価格設定、財務規律や固定費の管理をより一層徹底することで、2022年度比で38%増の営業利益を確保することを目指すとのことだ。