「クチコミデータから読みとる旅行行動の変化」、愛媛や群馬など温泉地で有名な県が上位に　コロナ前は奈良や京都の歴史ある人気観光地が上位

TrustYou（トラスト・ユー）GmbHの日本法人であるTrustYouは、2023年1月より「クチコミデータから読みとる旅行行動の変化」と題して、宿泊ゲストの声であるクチコミ、レビューを定量化したデータから回復を目指す旅行業界に有益と思われるデータを公開する取り組みを再開しているという。

今回は、TrustYouのクチコミデータベースから、日本国内のホテル、旅館、民泊などの宿泊施設のクチコミスコアを抽出し、都道府県別の平均スコアをランキング化した「2019年〜2022年、宿の評価が良い都道府県ランキング TOP10」（年別データ）を発表。

2019年から2022年までの過去4年分のランキングは下記の通り。

コロナ前の2019年のランキングを見ると、全体のクチコミスコアは一番高く、奈良県、京都府といった歴史のある人気観光地も上位に入っている。しかし、コロナ禍に入った2020年以降は、ランキングにある変化が見られるとのことだ。

愛媛県、群馬県、大分県、熊本県といった自然豊かで日本有数の温泉地を有する県のみが上位にランクイン。なお、群馬県と熊本県は、2019年から2022年の4年間を通してランクインしており、一方で京都府は、2020年以降はランキング外となっているとのことだ。

高評価のクチコミ例：

• 愛媛県：「道後温泉の老舗旅館らしく手入れの行き届いた館内、お部屋、お風呂と本当に素晴らしい。立地も道後温泉本館、商店街に近く便利です。」
• 熊本県：「到着後の露天風呂は最高でした。 ホテルの大浴場もゆったりとしていて、風呂好きにはもってこいの宿でした。」
• 鳥取県：「駅からも近く、街中にありましたが、 ロビー、庭の雰囲気が良かったです。 温泉ものんびり浸かることができ、癒されました。」

インサイト（データからの考察）：

1. 2020年以降はコロナ禍で人混みを避けるという点で、大都市や人気のリゾート地ではなく、小規模でコンパクトな街や温泉街での宿泊体験の満足度が向上しているという。例としては、愛媛県、鳥取県、大分県、熊本県、群馬県が上位にランクインした点から読み取れるとのことだ。
2. 近場で少し贅沢な旅行を楽しむ旅行者（マイクロツーリズム）が増え、人混みを避け、自然豊かな場所に位置する広めの客室を有する、比較的小規模なホテル、旅館で宿泊し、より良いサービスを受けることが満足度の高さに結びついているといえるという。
3. 熊本県と群馬県は、自然豊かな観光地（阿蘇、天草、軽井沢）や日本を代表する温泉街（黒川温泉、草津温泉、渋川伊香保温泉）が位置する県として、宿泊施設の満足度が安定して高いことが分かる。

調査データについて：
TrustYouの宿泊施設データベースから日本国内の宿泊施設、ホテル、旅館、民泊施設、合計35,361施設のクチコミデータを抽出。
クチコミ投稿が2019年〜2022年でゼロの宿泊施設はデータから除外し、年別の各県のクチコミスコア（パフォーマンス）の平均値を算出し、ランキング化。宿泊施設数の多い都道府県は若干平均値が低くなる傾向が見られる。

TrustYouでは、今後も旅行業界に有益な情報を、発信していく予定であるとしている。