帝国データバンク(TDB)は、新型コロナウイルス感染症の分類移行にともなう働き方の変化について、企業の見解を調査し、結果を公表した。

なお、同調査は、TDB景気動向調査2023年3月調査とともに実施されたとのことだ。

■「5類」へ移行後の働き方、15.5%の企業で新型コロナ前と比較し半分以上異なる

新型コロナウイルス(以下「新型コロナ」)の感染症法上の分類が「2類」から「5類」へ移行が実施された場合、自社の働き方が新型コロナ前と比較してどの程度変化するのか尋ねたところ、「半分以上異なる」と回答した企業は15.5%となった。

その内訳は、「全く異なる(100%異なる)」企業は0.9%、「8割程度異なる」は3.1%、「半分程度異なる」は11.5%となっている。また、「2割程度異なる」(22.5%)も含めた「新型コロナ前と異なる」とする企業は38.0%となった。

他方、「新型コロナ前と同じ状態(0%)」とする企業は39.1%と4割近くにのぼった。なお、「2割程度異なる」(22.5%)を合わせると6割を超え、「5類」移行にともない多くの企業は、新型コロナ前に近い働き方に戻る傾向もうかがえたとしている。

「5類」へ移行後の働き方

■従業員規模が大きいほど「新型コロナ前と異なる」割合が高く、1,000人超では5割を超える

働き方が「新型コロナ前と異なる」割合を業界別にみると、「サービス」が45.5%で最も高く、特に、「広告関連」(60.2%)や「情報サービス」(54.4%)では半数を超える企業で新型コロナ前の働き方に戻らないと回答。他方、「農・林・水産」(29.5%)は唯一、3割を下回っている。

また、従業員数別にみると、リモートワークの継続といった声もあり、従業員規模に比例して、新型コロナ前と働き方が異なる割合は高くなった。とりわけ「1,000人超」(52.9%)の企業では5割超に達した。

業界別:働き方が「新型コロナ前と異なる」割合を

新型コロナの感染拡大から3年が経ち、経済活動の正常化も徐々に進みつつある。2023年4月5日に発表したTDB景気動向調査(2023年3月調査)でも、新型コロナの感染者数の落ち着きやマスク着用ルールの緩和にともない消費者のマインドが明るくなるなどアフターコロナに向けた動きは加速しているという。

TDBは、引き続きリモートワークやテレワークなどを継続する企業がある一方で、感染対策を意識しながらも徐々に新型コロナ流行前の働き方へ戻す企業も多く、今後、企業を取り巻く環境については働き方だけではなく、コロナ禍で本社を郊外へ移転した企業の都市部への回帰など新たな変化が生じる可能性もあると考察している。

【調査概要】
調査期間:2023年3月17日~31日
調査対象:全国2万7,628社で、有効回答企業数は1万1,428社(回答率41.4%)
調査機関:株式会社帝国データバンク

<参考>
帝国データバンク『新型コロナウイルス感染症の分類移行にともなう働き方の変化