ジオテクノロジーズ、一般道も対象に渋滞回避ルートを算出する「AI渋滞予測モデル」開発 予測は5分単位から

ジオテクノロジーズは、同社が保有する“生きた”ビッグデータに最新のAI技術である深層学習を組み合わせ、主要な道路だけでなく一般道も対象とした高精度な「AI渋滞予測モデル」の開発に成功したと発表した。

「AI渋滞予測モデル」開

渋滞予測と呼ばれるサービスは既に存在しているものの、多くは数時間単位の予測や高速道路や主要幹線道路に限定されているなど実際には実用性に課題があり、より広範囲で精度の高い渋滞予測が求められているという。

ジオテクノロジーズが今回開発した渋滞予測モデルは、主要な道路だけでなく多くの一般道も対象とし、5分単位での予測を行うことができるとしている。

交通状況は地域性や道路構造、時間帯など、多くの複雑に絡み合う条件に作用されるため、細かい予測は深層学習を用いても難しいこととされていたが、最新の深層学習モデルを組み込むことで高い性能を保持しているとのことだ。

■研究開発を実施

同社が保有する交通情報や気象情報等のデータを元に、特定道路における15分後、60分後の車速について予測精度の検証を実施。主要な道路だけでなく多くの一般道も対象とし、5分単位での予測を行うため、深層学習をグラフデータに適用するGCNを応用した最新モデルを採用しているという。

【実験対象】
期間:2023年1月19日~2023年1月31日の13日間
範囲:東京都の一部範囲(私道以外の道路)

【実験の結果】
全体で誤差が少なく、高い精度で渋滞の予測ができていることが判明。
●15分後の車速予測は、全道路のうち92%以上が誤差±20km/h以内(図1)に収まる結果。
●60分後の車速予測も、全道路のうち88%以上が誤差±20km/h以内(図2)に収まる結果。
●仮に行程100kmで所要時間が2時間だとすると予測結果は15分以内の誤差に概ね収まる精度。

実験の結果

【追加検証結果】
●今回のモデル(東京都の一部範囲)で、東京都の他範囲を検証した場合も推論精度が出ていることを確認。
●旧来のLightGBM等のモデルよりも汎用的に扱えるという示唆を確認。
●渋滞が発生・解消された車速の変化にも追従していることも本モデルで対応可能なことを確認。

同社は今後、モデルの評価をさらに進めるとともに、高速道路入口や踏切付近の特殊区間の判定や工事・事故情報、サグ部・上り坂情報等を考慮し更なる精度向上の上、今年度中の製品化を進めていくとしている。

今回の研究開発の成果を活用し、日本の交通における社会問題の解決に取り組んでいくとのことだ。

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