中国のAI大手・商湯集団(センスタイム)は2023年4月10日に行われたイベントで、大量のデータへのアクセスと高い計算能力を活用した、新しいAIツールを発表した。
同社の徐立最高経営責任者(CEO)はイベントで、大規模AIモデル「センスノバ」とユーザーと対話するチャットボット「センスチャット」を実演。また、コードの作成を支援するデモを行うとともに、英語や中国語で受けた専門的でない質問から、機能する製品を作って披露した。
現在のAI開発は人間のプログラマーが約8割を担当しているが、将来的にはAIが8割、人間が2割を担当すると同氏は語った。いずれAIモデルはコードのダブルチェックや翻訳、修正を行うようになるとも述べた。
米OpenAIのチャットボット「ChatGPT(チャットGPT)」が全世界から注目を浴びている中、中国のテクノロジー関係者の間で、同様のものに対抗する動きが広がりつつある。アリババクラウドは中国語と英語に対応した大規模言語モデル「通義千問(Tongyi Qianwen)」を発表。将来的には開発者や企業向けにクラウド上の通義千問へのアクセスを提供し、企業自身で大規模言語モデルをカスタマイズできるよう支援するという。またIT大手「百度」(バイドゥ)も先月から、試験的に対話式AIの提供を始めている。
中国政府はこうした動きに対して、AIを活用するサービスについての規制案を公表した。「AIが生成した文章は社会主義的な価値観を反映する必要があり、サービスの提供を開始する前に当局の審査を受けることを義務づける」と述べている。