KNT-CTホールディングスは、2023年のゴールデンウィークにおける国内・海外旅行動向を発表した。
近畿日本ツーリストのゴールデンウィークの国内旅行販売高は、3年ぶりに行動制限のないゴールデンウィークだった昨年の同時期と比較し、2.5倍と大幅に回復傾向にあるという。
新型コロナの5類移行が決定し、屋内のマスク着用が原則不要になるなど生活面の制約が緩和されたことが追い風となり、旅行機運が高まっているとのことだ。
また、昨年のGWはまだ渡航・入国制限があったことにより、予約は国内旅行がメインとなっていたが、今年は久しぶりの海外旅行を楽しむ利用者も増えているとしている。
■ゴールデンウィーク・国内人気旅行先ランキング(近畿日本ツーリスト)
<ゴールデンウィークの国内旅行動向(近畿日本ツーリスト)>
国内人気旅行先ランキングでは、「東京ディズニーリゾート」への観光客が多い千葉県が1位を獲得したほか、大自然、温泉、グルメなどの魅力が満載の北海道が2位にランクインし、GW定番の人気スポットの沖縄県が3位にランクイン。そして、4位には「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」への観光客が多い大阪府となった。
昨年実施された県民割・ブロック割は、県内および隣接県からの旅行が対象となっていたため、レンタカーや自家用車で行けるエリアでの旅行に集中する傾向にあったが、航空機・JR等の公共交通機関を利用する旅行も2倍以上に増加。
また、物価高の影響と、飛行機や新幹線を利用した遠方旅行が人気のため、旅行代金の平均単価は上昇し、2019年同時期と比較しても1.2倍となっているとのことだ。
■ゴールデンウィーク・人気旅行先伸び率ランキング(近畿日本ツーリスト)
<伸び率ランキングの傾向(近畿日本ツーリスト)>
伸び率では、昨年と比較し大阪府が約7倍以上、東京都が約5倍と大幅に増加しており、地方居住者の都市部への旅行が急激に回復していることがわかる。
また、九州を代表する人気観光地・福岡県や、横浜・鎌倉・箱根など、人気エリアが点在する神奈川県、日本三景に数えられる松島や秋保温泉、作並温泉など有名観光地が多くある宮城県といった定番の観光エリアが軒並みランクイン。
■ゴールデンウィーク・海外人気旅行先ランキング(近畿日本ツーリスト/クラブツーリズム)
<ゴールデンウィークの海外旅行動向(近畿日本ツーリスト/クラブツーリズム)>
海外旅行の本格的な復活はまだ先となるものの、ワクチン接種や陰性証明、行動制限などが緩和され、入国条件をコロナ禍前と同様に戻す国が増えたことに伴い、国際線も少しずつ増便し、海外旅行しやすい環境が整いつつあるとしている。
近畿日本ツーリストの人気旅行先は、ハワイ、アジア(韓国、台湾)、グアムといった短期間でも旅行が楽しめる近場の国がランクインし、家族で海外旅行を楽しむ人も増えているという。
一方、添乗員同行の主催旅行を中心に取り扱うクラブツーリズムでは、インド、ドバイ、ウズベキスタン、イスラエル、ブルネイなどの秘境エリアやヨーロッパなどの海外旅行のリピーター向けのコースが人気に。
これは主に、海外旅行を趣味とされてきた利用者が久々の長期休暇を海外で楽しもうと、よりリピーター向けの国・ツアーが選ばれていることが要因だと考察している。