総合転職エージェントのワークポートは、全国のビジネスパーソン408人を対象に、「コロナ5類移行」による働き方の変化についてアンケート調査を実施し、結果を公表した。
2023年1月、政府は新型コロナウイルス感染症の位置づけについて、5月8日から季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行する方針を発表。移行に先立ち、3月13日からマスク着用が個人判断へと見直され、移行後はさらに行動制限などの政策・措置に変更が生じている。
これにより人々の生活にも様々な変化が予想されるが、一方で仕事面ではどんな変化が生じるのか調査を実施したとのことだ。
【コロナ禍の変化】職場環境や働き方が変化した人は67.2%。主に在宅勤務の導入やマスク着用の義務化
はじめに、対象者全員に現在の勤務先(または直近の勤務先)で、コロナ感染拡大によって職場のルール・制度や自身の働き方は変化したか聞いたところ、「変化した」と回答した人は67.2%と7割近くにのぼった。
具体的な変化として、「フルリモートワークの導入とオフィスの縮小」、「マスク着用強制」など、在宅勤務やマスク着用が浸透したとする意見が多く挙がったという。また、「フリーアドレス化、会議がリモート」、「時差出勤の導入」などの意見も多く挙がり、フレキシブルな職場環境や働き方が広がったことがわかった。
【コロナ5類移行での変化】5類移行によって37.2%の人の働き方がさらに変化。マスク任意や会食再開
コロナ感染拡大で職場環境や働き方に変化があったと回答した人に、コロナが5類に移行することで、さらに職場の制度・ルール・働き方は変化したか聞いたところ、37.2%が「変化した(これから変化する予定)」と回答。
具体的には、「マスク着用の義務化解消」など、政府の方針にならってマスクの着用が個人の判断に委ねられるようになったという意見が目立ったという。また、「客先訪問の再開、会食の再開」、「在宅勤務から出社への切り替え」など、対面での働き方が再開したとする意見も多数挙がったとのことだ。
一方、前出の質問の回答者にコロナ禍で変化した職場のルール・働き方・制度において、5類移行後も変わらない点があるか聞いたところ、「リモートが基本的なスタンスであること」、「マスク着用自由化とはいえ、基本は着用」といった意見も。
5類移行により、一斉にコロナ禍以前の働き方やルールに戻すという動きがあるわけではなく、一部ルールの緩和などの変更を行いつつも、基本的にはコロナ禍で浸透したワークスタイルを継続するという方針の企業が大半を占めることがわかった。
【変化に対する働き手の意識】62.7%が5類移行による変化に肯定的。“対面”を重要視する意見が多数
コロナが5類に移行することで職場環境や働き方がさらに変化したと回答した人に、その変化をどう感じているか聞いたところ、「良い」(18.6%)、「どちらかといえば良い」(44.1%)が合わせて62.7%という結果に。
過半数がコロナ5類移行による変化を前向きに捉えている様子がうかがえた。
コロナ5類移行による変化を「良い」と感じる理由を聞いたところ、「対面で話せる良さがあるため」、「コミュニケーションがとりやすくなるため」など、対面でのコミュニケーションを重要視する意見が多数挙がたとのことだ。
【コロナ禍のキャリアへの影響】半数がコロナ感染拡大による転職やキャリア形成への影響を実感
次に、対象者全員にコロナの感染拡大は、自身の転職やキャリア形成に影響を与えていると感じるか聞いたところ、「良い影響を与えた」とする人は24.0%、「悪い影響を与えた」とする人は26.2%でとなった。
合わせて約半数の人が、コロナ禍で良くも悪くもキャリアへの影響を受けたと感じていることが判明。
【コロナ5類移行に対する印象】5類移行は妥当と判断する人が約半数。不安を感じる人は22.8%に留まる
最後に、対象者全員にコロナ5類移行についてどう感じているか聞いたところ、「不安はない(妥当だと思う)」と回答した人が48.8%と約半数を占めた。また、「不安がある」と回答した人は22.8%と、全体の2割程度に留まる結果となった。
■調査概要
調査内容:コロナ5類移行による働き方の変化について
調査機関:自社調査
調査対象:当社を利用している全国のビジネスパーソン(20代~40代・男女)
有効回答:408人
調査期間:2023年3月13日~3月20日
調査方法:インターネット調査
※データは小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合あり。
<参考>
ワークポート『コロナ5類移行による働き方の変化について』